■『星降る夜に』との大きな違い

 さらに、「空豆が忘れていったバッグから、徹がデザイン帳をゲットするシーンは、ドラマ史に残るポンコツシーンとなった。わざと中身が落ちるようなバッグの置き方をするような大人は、そうそういない。スタッフもキャストもおかしいと思わなかったのか?」などと、撮影現場にも批判の声が及んだ。

「これまで、デザイナーの厳しさを説いていた男が盗作とは、ちょっと唐突でした。空豆を追いつめるために、人物設定をないがしろにしてしまったのかも。同作は、全般的にメイン以外の人物描写が甘いと批判されていて、すでに多くの視聴者離れを起こしていますが、今回もそれに拍車をかけたようですね」(ドラマライター/ヤマカワ)

 一方、同じ恋愛ドラマで評価を上げているのが、前述の『星降る夜に』だ。同日放送の第8話では、新米産婦人科医師・佐々木(ディーン・フジオカ/42)の悲しい過去が、鈴(吉高由里子)に悪質な嫌がらせをしていた、伴(ムロツヨシ/47)を思い止まらせるなど、周辺人物がちゃんと描かれていることで、物語に深みを出している。

 メイン以外の登場人物の描き方や、プロットの綿密さの違いで、視聴率の数字に明暗が別れてしまった、火曜日放送の2つの恋愛ドラマ。『星降る夜に』は次回の時間拡大スペシャル放送で最終話を迎えるが、単なる恋愛モノに終わらない、感動的な展開が期待できそうだ。

 そして、『夕暮れに、手をつなぐ』は残すところ2話で、今回のラストで、デザインを奪われて失望する空豆が、音とセイラが抱き合う姿を目撃してしまう衝撃的なシーンが。空豆と音にセイラが絡んだ三角関係、空豆と塔子との母子関係が気になるが、またしても飛び道具のような“トンデモ”展開になりそうで不安だ。