■ハズレた『どうする家康』の狙い

 それは、演出と演者の遊び的要素で、『どうする家康』は早いテンポと、ときにコミカルな演技。Get Ready!』は演出家の堤幸彦氏らしい小ネタ。『警視庁アウトサイダー』も演出が堤の弟子の木村ひさし氏で小ネタと、どの作品も本筋とは別の要素がふんだんに入れられ、それが嫌われたようなのだ。

「おそらく、若い視聴者層を呼び込もうとしたのでしょう。『どうする家康』のテンポは、若者の倍速で動画を見る習慣に合わせたように見えました。また、『警視庁アウトサイダー』はテンポが早いうえ、カット割りのクセが強くて見づらいという声も。

 小ネタはSNSでツッコんでもらえればと考えたと思われますが、受けたのはコアなドラマファンばかり。残念ながら、それぞれの枠の常連視聴者には響かなかった。どちらの試みも、明らかな読み違いだったようです」(ドラマライター/ヤマカワ)

 最近のドラマは、見逃し配信で好きな時間に見たり、リアルタイムで視聴しながらSNSで実況したりと、視聴スタイルが多様化している。今回の3作品は、その変化を意識したかもしれないが、狙いはハズレてしまったようだ。