日曜朝にフジテレビで放送されているアニメ『ONE PIECE』(『ワンピース』)が、4月から日曜23時15分の枠に移動することになると、3月12日に同局が改編資料を通じて発表し、多くのファンに衝撃が走った。

『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の尾田栄一郎氏による漫画『ONE PIECE』のテレビアニメ版で、1999年から放送を開始。2006年10月から現在に至るまで約18年にわたり日曜午前9時30分から放送され、日曜朝の定番番組として老若男女に愛された。フジテレビは4月6日の放送から日曜23時15分枠に移動するとし、日曜朝枠では新作オリジナルアニメ『TO BE HERO X』を放送する。

『ONE PIECE』の深夜枠への移動に対しては、

《自分が夜のこの時間にワンピース見るかと言われるとながらで見てたので見ないかもなと》
《子供が見るから夜の11:15は遅いよ》
《ワンピースが4月から日曜夜11時15分に変更に驚いた》
《これがマスメディアの少子化対策なのか? 今の子供が可愛いそう》

 と、驚きや戸惑いの声がXには寄せられている。

『鬼滅の刃』も「無限列車編」「遊郭編」「刀鍛冶の里編」「柱稽古編」がフジテレビで放送され、放送時間は、『ONE PIECE』の移動先と同じ日曜日23時15分からだった。また、長らく金曜19時枠で放送されていたアニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系)が19年10月より土曜17時枠に移動するなど、アニメの放送時間帯に大きな変化が見られる近年。その背景について、元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏はこう見解を示す。

「最近は、アニメ番組のCMが売りづらくなっているんです。子ども向けのアニメにはそれ絡みのスポンサーが必要なわけですが、子ども含めて若い層はテレビを見なくなっていますし、テレビ局サイドの営業ノウハウも失われつつあるという事情があるんです。

 アニメ枠をしっかり売れているのはテレビ東京ぐらいで、他局はアニメのセールスが上手くいかなくなってきていると。テレビ朝日はアニメ関連のセールスが比較的上手い局ですが、それでも、『仮面ライダー』や戦隊モノなどの特撮の方がセールスの中心ですからね。

 それは、アニメと違って“おもちゃありき”で制作されていて、玩具メーカーとしっかり組んで流行りのおもちゃやアイテムを『仮面ライダー』へと落とし込んでいるんです。それでさらに、おもちゃが売れるクリスマス時期に向けて盛り上げていくというやり方をしています。ただ、『ONE PIECE』や『ドラえもん』には原作がありますから、そういうわけにはいきません」(以下、すべて鎮目氏)