■TVアニメが深夜に追いやられる深い理由
CM枠が売りづらくなっているという事情もあり、ゴールデン帯などの時間帯にアニメが放送しにくくなっているようだ。
「結果、本当に好きな人が家で見てくれるような深い時間へと移動しているんでしょう。加えて、アニメを作る側の事情も変わりつつあります。昔は地上波が主戦場でしたが、今は地上波で放送してもヒットしない作品もある。ただ、“地上波で放送していますよ”ということは言いたいんです。配信のみの作品よりも力が入っていて、質が高いと思ってもらえますからね。
それでも、今は配信でジワジワ盛り上がってヒットする作品も増えていますから、地上波と配信を同時にやっていきたいというのが実情です。“深夜の地上波+配信”でヒットを目指すということですね。
昨今のアニメは“製作委員会”という形にして、アニメを作る側がお金を出し合って枠自体を買って制作することも少なくありません。局主導だといろいろと細かいことを言われて自由に作れないということもありますが、自分たちでお金を出せば自由に作れますからね。
ただ、製作委員会が買える枠は深夜などになってしまう。そういった事情が重なり、アニメが深夜枠に移動したり、アニメ自体が民放から消えていっていると考えられます」
テレビ局とアニメ制作側、双方の事情もあり、アニメが深夜帯に追いやられる事態になっているようだ。