広瀬すず(24)主演の『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)は、田舎育ちで天真爛漫な女性が、音楽家になるのを夢見る青年と出会い、東京で夢や恋を紡ぐラブストーリーだ。

 第8話は、空豆(広瀬すず)がデザインしたドレスが、アンダーソニアのコレクションに登場して成功を収める。音(King & Prince永瀬廉/24)はデビュー曲『きっと泣く』の成功から、テレビの音楽番組への出演が決まる。好きな気持ちを伝えられずに離れてしまった2人は、またもすれ違い続けてしまう。

■大切な音との思い出を形にする空豆

 空豆が考案したコレクションテーマは、『Don’t remember days,remember moments』、忘れられない瞬間を形にするというものだ。空豆は、カメラのシャッターを切るように、感情や風景を思い出に刻んでいく人なのだろう。たとえば、実家から見える、霧島連山の美しい風景。母親と最後に見た、一面の菜の花畑。音と飲み終わった缶ジュースを投げ合った、夕暮れ時の川沿い。

 空豆は、自販機で缶ジュースを買って飲むという日常の中で、音と出会って間もないときにした、何気ない遊びを形にすることを思いついたのだ。空豆の心のアルバムに音がいて、それを形にしたいと思う。言葉にしなくても、空豆が音を大事に思っていることが伝わってくる。

 音も、空豆に気持ちを伝えようとするが、どうにもうまくいかない。タイミングの問題だけ、そのタイミングなんて何度でもあったはずなのに、いざとなると急になくなってしまう。引越し当日になっても、寂しい気持ちや想いを伝えないまま、明るく離れていく二人が切ない。

 でも永遠の別れではないのだ。大切な人が、夢を叶えるために、自分が選んだ道を歩んでいく。自分も頑張ろうと思う空豆は、仕事にまい進する。音と過ごした日々から得たアイデアを膨らませて形にしていくが、まさかの事態が起こる。次のパリコレのアイデアが思い浮かばず、低迷していた久遠(遠藤憲一/61)にアイデアからデザインまで丸ごと奪われてしまうのだ。