■10分ほどの長尺で香取と演技を繰り広げた

【以下、ドラマ『日本一の最低男』のネタバレを含みます】

 これまで『日本一の最低男』では、過去に一平(香取)が部下を叱責して追い込んだこと、それが問題となりテレビ局を追われたことが描写されてきたが、その部下というのが、第10話に登場した野上(ヘイテツ)だった。

 一平と再会した野上は、パワハラじみた叱責が嫌だったのではなく、事件や災害の際に必要な「遺族コメント」を撮らされることが嫌だったと告白。遺族コメントは再発防止に必要だとする一平に「ていうのは建前で、警察発表の情報だけじゃ他と差をつけられないから」「皆さん好きだから。人の不幸」と冷ややかな態度で反論。

 そして、一平の「知ることで、他人事から自分事になる」という理由でやはり遺族コメントは必要だという主張を「言いたいことは分かります」と認めつつ、それでも現代社会では遺族はおろか犠牲者や被害者が、変な正義感や逆張りから理不尽にバッシングされると指摘。だからこそ、遺族に寄り添い、向こうが話したいタイミングで大切に話を聞くことができれば……という想いだったと告白した。

 話を聞いた一平は「とことんお前と話し合って、選択肢を作るのが上司としての俺の役目だった」と謝罪し、野上も「俺も。もっと話せばよかったです。“どうせわかってもらえない”って、勝手に」と和解する――そうした両者のやり取りが、10分ほどの長尺で描かれた。

 演技初挑戦でいきなり主演の香取と一対一で対峙し、長尺でやりあったヘイテツ。彼の演技にXは沸騰し、

《初の連ドラで主役と1対1の長ゼリフ。野上くん、すごくよかった》
《繊細と乱暴がいっしょくたになってる野上。複雑でわかりにくいヤツなのに、言葉を聞いていてじんわり共感していった。人って一方向から見てただけじゃわからない。 #ヘイテツ さんの演技とてもよかった》
《演技初めて挑戦であの #香取慎吾 に対してなかなかボリューミーなセリフ量にこのヘビーな内容って…ちょっと #ヘイテツ さんとんでもなく凄すぎないか》
《一平と野上が対峙する長いシーンデビュー作品とは思えないヘイテツの落ち着いた素晴らしい演技に感動した》

 と絶賛する声が、多く寄せられている。

「”バーター“を指摘する声もありましたが、ヘイテツさんは新人離れした圧倒的な演技で、視聴者を唸らせましたね。

 ヘイテツさんが所属するCULENの代表・I氏は韓国のエンタメに明るく、そのルートで発掘されたと思われますが、I氏は人気が伸び悩んでいた時代のSMAPに可能性を見出し、独自の戦略で国民的スターグループにまで成長させるなど、目利きとプロデュース術は確か。ヘイテツさんの今後にも、かなり期待できるのではないでしょうか」(芸能プロ関係者)

 CULENはヘイテツの所属発表時、こうコメントを出している。

《SMエンタで練習生をしていた時にご紹介いただいた中の1人。まだ粗削りですが、韓国で3年間歌と踊りを頑張ったガッツを生かして成長していってほしい》

 初登場でいきなり見事な演技を見せたヘイテツは、次週(3月20日)の『日本一の最低男』の最終回にも出演する。香取から多くを学び、成長していくことだろう。