■「私的な不倫ショット」でのビジネスには疑問の声も
当時の業界事情を知る老舗レコード会社関係者も、「N氏が独立したとき、八代さんとは駆け落ち同然だった」と言い、こう続ける。
「N氏の八代さんへの熱の入れようは周知の事実で、新会社も八代さんのためにつくったようなものです。ただ、会社を大きくするために次なる新人を育てようとして、結果的に八代さんの名前を“利用”した格好になってしまい、2人の仲は急速に冷えていったとか。結局N氏は離婚しないままでしたし、1985年の夏頃には破局したとささやかれました。最終的に業を煮やした八代さんが飛び出し、別のレコード会社への移籍を発表したという経緯があります」
『週刊新潮』(新潮社・86年10月30日号)は当時、N氏が離婚して2人は結婚するだろうと言われていたがN氏がなかなか離婚に踏み切らなかった、と報じている。そのことで、2人はしょっちゅう痴話喧嘩をするように。破局する年には“顔も見たくない”といった関係になり、最後に八代さんはN氏にこう言い放ったとある。
《あなたとは一緒に仕事できない。『コロムビア』に移籍する》
八代さんがいなくなったN氏の会社は86年夏、倒産状態に追い込まれた。一方の八代さんは晩年まで名曲をリリースし続け、ジャズ・ブルース歌手としても活躍――。
今回、約40年の時を経て八代さんとN氏の極めて私的な写真付きのアルバムを販売するのは『ニューセンチュリーレコード』。『女性セブン』によれば、八代さんが抜けて経営が傾いたN氏のレコード会社から、ほかの歌手の原盤権や会社にあった財物一式を買い取ったと伝えられている。同社の社長は今回のリリースは“何の問題もない”と主張しているという。前出のレコード会社関係者も憤る。
「八代さんは人を惹きつける華やかさをもち、きらびやかなイメージがありますが、裏では地道な努力を重ねるタイプ。町中華が好きなど庶民的な一面もありながら、ボランティアや社会貢献活動にも精力的で、愛情深い人でした。ただし表では自身の恋愛の詳細についてハッキリと語ることはなく、『歌手・八代亜紀』の顔を崩さなかった。
亡くなって1年以上経ちますが、こんなプライベート写真が公になるとは夢にも思わなかったはず。権利関係がどうあれ、業界内でも”亡くなった人の秘め事で商売をするのはどうなんだ”との怒りの声が上がっています」
2人だけの時間を切り取ったプライベート写真が出回ることに、八代さんは何を思うのか。