■主人公の「食べり」が嫌われる根本的理由
「食べり」というフレーズ――『おむすび』では、結が6歳のころ、福岡県・糸島で祖母の佳代(宮崎美子/66)に「おむすび握ったと。食べり」と勧められたことが、「食べり」というフレーズを覚えたきっかけとして描かれていて、成長後も決め台詞のように使っている。
しかし、結の「食べり」には、
《「食べり」が本当イラつくな~じぇじぇじぇ(※2013年度前期の朝ドラ『あまちゃん』のフレーズ)みたく流行語になる計算だったのかな》
《管理栄養士に見せかけて、プリンメーカーの営業やったんや!そのうち「食べり!」 って言ってCM出るのかなw》
《もう「食べり」て言うのやめて欲しい 福岡県民として不快 管理栄養士なら、「食べり」「食べり」言うじゃなくてどうやって食べてもらえるかのアプローチを考えて患者さんと関わるものでないの?》
といった多くの厳しい声が寄せられているのだ。
「結は世話焼きな性格で、“食べり”に限らず福岡弁で話すシーンは多いんです。しかし、この最終盤で視聴者から不評が続出する背景には、これまでの積み重ねで主人公・結が視聴者から嫌われてしまっている、というところがあるでしょうね」(前出のテレビ誌編集者)
結が嫌われてしまっている理由――1つは、主人公としてあまりに未熟すぎることか。
「両親を交通事故で亡くしてふさぎ込んでいる詩に、“食べれば少しは元気になる”とプリンを渡したこともそうですが、行動に説得力が感じられないという意見が多いです。また、キャリアのある栄養士とは思えない行動も目立つため、それも批判されています」(前同)
『おむすび』では、社会人1年目の結が社員食堂の新メニューを考えるも、スピード勝負の社食なのに調理時間を考慮に入れ忘れる、というミスをする回があった。その後、結は資格を取得し病院の管理栄養士に転職したのだが、大手コンビニチェーンの弁当づくりに協力した際に“工場で大量生産する”という前提を忘れて量産が難しい弁当を企画してしまう、という失敗を犯す。
これが社食の失敗と似た流れだったため、《理想だけじゃ無理(コストや手間が合わない)は、社食のランチであんだけ身に沁みたのに忘れたんか(笑)》など、学ばない主人公に視聴者からツッコミが相次いだ。
「そして、そういった未熟さが目立つのに、やたらと結が手柄を立てて持ち上げられるような、いわゆる“主人公アゲ”になる展開が多く、それにシラけてしまうという声も多いですね」(同)