■成長物語がしっかりと描かれておらず感情移入ができない
特に病院が舞台となってからは、患者が抱えるトラブルを結(橋本)が管理栄養士として解決する、という展開が複数回描かれたため、
《主治医が怖くて言いづらいなら、気になる重要な事は看護師に言えばいいだろうに、なんで管理栄養士にってなる。 まあ、主人公アゲるための作為なんだろうが》
《努力して頑張って人助けしてありがとう!って言われてああ〜よかったってなる事はあるけどこの主人公、周りに無理ばかり強制してあなたのおかげね!ってヨイショされてばかり。しかも手助けしてくれた人に感謝しないから応援も共感もできない》
《嫌だったのは、震災やコロナなどのできごとを、全部「さすが米田さん」に結び付けてしまうところでした。不幸の私物化とでも言うんでしょうか。いろんな人のいろんな悲しみが全部「さすが米田さん」になっていくところは見ていて辛かったです》
といった厳しい意見が多い。
「そして、やはり大きいのは、『おむすび』のシナリオのダイジェスト感が強すぎて、結の成長物語がしっかりと描かれていない、主人公の成長過程の描写不足というのがあるでしょう。だから、視聴者が主人公に感情移入できていないと。
具体的には、結が管理栄養士を目指すにあたり猛勉強して合格する過程がナレーションで処理されるばかりか、いきなり勤務4年目から物語が始まるため、同僚との交流、新人ならではの葛藤など、そういった主人公の成長物語に明らかに必要であろうエピソードがなかった。そのため、結の姉で“ギャル要素”も、挫折や成長もしっかり描かれている歩(仲里依紗/35)の方が主人公らしいという声が多いほどです」(前出のテレビ誌編集者)
そんな、主人公が好かれていない『おむすび』は、ほぼ確実に歴代朝ドラの平均視聴率ワーストを更新すると見られている。これまで歴代ワースト1位は倉科カナ(36)主演の『ウェルかめ』(2009年度後期)の世帯13.5%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)だったが、『おむすび』は3月17日放送回の時点で13.2%。今は巻き返すどころか、どこまで下がるのかが心配されている状況だ。
主人公が視聴者に受け入れられず、多くの朝ドラファンが視聴をやめてしまった『おむすび』だが、ラストくらいは高評価を得て終わってほしいが――。