冬ドラマも軒並み、最終回を迎えた。話題となった作品もあれば、地味に終えた作品もあったが、今回はその中で抜群の輝きを見せた俳優たちにスポットを当てたい。

 まず、川口春奈(30)主演の火曜ドラマ『アンサンブル』(日本テレビ系)で、相手役を演じたSixTONES松村北斗(29)。このドラマは、現実主義の弁護士・小山瀬奈(川口)と、理想主義の新人弁護士・真戸原優(松村)が、さまざまな恋愛トラブル裁判に挑んでいく、明るくてちょっと切ない物語。

 松村演じる真戸原は、幼いころに実母・ケイ(浅田美代子/69)に愛されず、最後は捨てられた過去があり、現在はケイの弟・和夫(光石研/63)と、その妻・有紀(八木亜希子/59)の息子として暮らしている。第2話で、瀬奈が働く「たかなし法律事務所」に移籍し、彼女と一緒に働くことに。

 リーガルラブストーリーをうたいながら、途中から裁判はほとんどなし。あまりに理不尽な毒親がぞろぞろ出てきたうえに雑で唐突な展開が続いたこともあり、X上では、《脚本がダメダメすぎるなぁ。人物像にしても展開にしても一貫性がない》《三者三様違うタイプの毒親取り揃えてくるの何なのよ? 普通に王道のキラキララブストーリーを見せてくれよ》などと、批判の声が殺到した。

 当然、松村にも批判の声が集まると思いきや、《キャストだけはいい》という声が。前半ではポジティブで恋愛もグイグイいくキャラで、従来の作品で松村が演じてきた役どころとは大きく違ったが、見事なまでに違和感なし。後半は重苦しいシーンが続いたが、これこそ松村の得意ジャンルという感じで、しっかりと演じきった。作品の質に関係なく、存在感を発揮する力量はさすがだった。