日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が現代のトレンドを徹底解説。今回は、ニッポンの真の姿に迫る。

 日本は世界的に見ても豊かで安全な国とされていますが、実は「ワースト1位」の不名誉な記録も少なくありません。

 まずは「日本の人助け率」。チャリティー機関「チャリティーズ・エイド・ファンデーション」による「この1か月の間に、見知らぬ人、あるいは、助けを必要としている見知らぬ人を助けたか」という調査において、日本は世界で最も低い数値を記録しました。

 これは、日本の文化や社会構造が影響している可能性があり、他人と距離を置く傾向や、助けることに対する心理的障壁が関係していると考えられます。

 特に、見知らぬ人を助けることが少ないというのは、日本人の特性とも言われる“周囲に迷惑をかけない”という意識が裏目に出ているのかもしれません。人助けが少ない背景には、他人と関わることを避ける文化や、困っている人がいても声をかけにくい雰囲気があるのではないでしょうか。

 続いては、「日本の残飯廃棄量」。年間2000万トンの食べ残しが廃棄されており、これは1日に1240万個のおにぎりを捨てている計算になります。アメリカの人口は日本の約2倍ですが、日本の廃棄量の方が多いという事実は驚くべきものです。世界では1500万人が飢餓で亡くなっている中、日本の食品廃棄の現状は非常に深刻です。

 また、国際連合食糧農業機関によれば、日本は単位面積当たりの「農薬使用量」は世界1位で、アメリカの5倍以上。健康に配慮するならば有機野菜を選んだほうが良さそうです。

 さらに、日本の「水道水の塩素濃度」は世界で最も高いことがわかっています。日本は湿度が高いので、水道水には腐らないよう必ず塩素を入れるのですが、その濃度は他国と比べて約10倍も含まれているといいます。これが健康にどのような影響を与えるかについては議論の余地がありますが、アトピーや皮膚疾患、発がんリスクが指摘されています。

「食の安全や健康に対する意識が高まる中で、日本の食品添加物や農薬使用量の多さは大きな懸念材料です。消費者がより安全な食品を求めるならば、生産者や企業側もそれに応じた対策を講じる必要があります。

 とはいえ、添加物を制限し過ぎると保存が効かなくなるなどのデメリットも考慮しなければなりません。消費者が賢い選択をすることが、より良い食品環境を作る第一歩になるでしょう」(農業紙記者)