フジテレビが設置した第三者委員会の報告書により、元タレント・中居正広氏(52)が元フジテレビの女性アナウンサーであるAさんに起こした性暴力騒動が公表され、波紋を広げている。

 中居氏が被害女性Aさんを自宅に招くまでの詳細な経緯や、Aさんが退職すると「ひと段落ついた感じかな」と懇意にしていたフジの編成幹部にメッセージを送るなど、女性の人権を軽視したような言動には批判が殺到。4月6日放送の読売テレビ『上沼・高田のクギズケ!』では、上沼恵美子(69)が「女性はモノやねんな」と激怒した。

 心無い中居氏の女性の扱いが明るみになるなか、「かつての中絶騒動も真実味が増してくる」というのは、週刊誌のベテラン芸能記者。中居氏は月刊誌『噂の真相』(株式会社噂の真相・2004年休刊)2000年12月号で、《国民的アイドルSMAPリーダー中居正広を襲った妊娠中絶劇の顛末独占衝撃告白》というスキャンダルを報じられているのだ。

「2000年前後といえば、SMAPは98年に『夜空ノムコウ』、00年に『らいおんハート』とミリオンセラーを連発。中居氏も97年、98年と2年連続でNHK紅白歌合戦の司会を務めるなどノリにノッていた頃です。旧ジャニーズ事務所がマスコミに対して絶大な権力をもっていた時代でもあります。

 まさに国民的ともいえるアイドルだった当時28歳の中居氏は、飲食店で知り合ったОLのNさん(当時24歳)と96年から断続的に男女の仲となり、その結果、Nさんは00年になり妊娠。しかしNさんがその事実を中居氏に報告したところ、Nさんの意向に反して出産は拒否され、中居氏の女性マネージャーも登場し、説得された挙げ句、中絶を選択させられた──というのが告発の概要です」(ベテラン芸能記者=以下同)

 そもそもこのスキャンダルはNさんの友人が、「他の雑誌では(ジャニーズ事務所の権力に)潰されるかもしれない」として、タブーがないことで有名だった『噂の真相』に告発を持ち込んだもの。同誌編集部は慎重に取材を進め、Nさんと中居氏が逢瀬を重ねたホテルや飲食店、中居氏の名前が記された人工妊娠中絶同意書など、数多の裏取りも取ったのだが、大手マスコミは総じてスルー。わずかに話題を取り上げたのは『週刊新潮』(新潮社)と『東京スポーツ』のみだった。

「内容が内容ですから、間違いがあってはいけない。『噂の真相』は中居氏のスケジュールや携帯電話番号まで照らし合わせるなど、入念な確認を進めたうえで報道していました。この記事の担当記者がのちに月刊誌に語っていたところによると、Nさんに録音機材を渡し、“中居氏との会話を録音してもらえないか”と依頼したんだそうです。

 数々の裏取り取材を尽くしたにもかかわらず、当時、旧ジャニーズ事務所を恐れるマスコミは知らぬ存ぜぬで取りあげずに“黙殺”。Nさんの発言は、“女性ファンの妄想”として片付けられました」