■健康志向・腹持ち抜群! 目的別に選べるメニューも

 多彩なシーンに合わせた豊富なメニューもファミレスの大きな武器。健康志向が高まる近年、サイゼリヤを代表する人気メニュー、ミラノ風ドリア(300円)も、ひと工夫で栄養バランスがグッとアップする。

「スイートコーン(200円)をプラスすると、食物繊維もとれるので腸内環境にも良いんです。甘さと歯応えも加わるので、よりおいしくなりますよ」

 と話すのは、管理栄養士の望月理恵子氏だ。

 健康とコスパ、両方の面で嬉しいのはハンバーグステーキでのランチだろう。

「小麦粉の価格は落ち着いてきた一方、お米が高騰しているので、ハンバーグにライス、サラダの3つを選べば、コスパ面も栄養面も最高です」(前同)

 お酒を楽しむなら、驚愕の安価を打ち出すグラスワイン(100円)はもちろん、少し違った味を求めるときはボトルワインにも挑戦したい。

「辛口の白ワインのドンラファエロ(1100円)や、赤ワインのランブルスコセッコ(1100円)は、スパークリングワインのように発砲しているので、すっきりとした飲み心地で食事が進みます」(マッシ氏)

 ワインは、長寿の観点からも注目すべき存在で、

「特に、赤ワインに含まれるレスベラトロールは、長寿遺伝子を活性化し、血管を若返らせるといわれています」(前出の望月氏)

 翌日にお酒を残さないためには、鶏肉でタンパク質を補給しよう。

「蒸し鶏の香味ソースのほか、しっとり蒸したチキンのサラダ(350円)も、おつまみに最適。肝臓の働きをサポートするタウリンが含まれるムール貝のガーリック焼き(400円)も良いですね。貝類は、亜鉛・ミネラル・タンパク質がとれる健康食材です」(前同)

 家計に優しく、体の声にも応えてくれるサイゼリヤは、遊び心も豊富。

「興味深いのはエスカルゴのオーブン焼き(400円)です。フランス料理が、なぜかサイゼリヤでは食べられる。そのミスマッチ感も面白い」(マッシ氏)

 大人も楽しめるサイゼリヤで、今夜は決まり!

マッシ
エッセイスト・ライター。1983年イタリア生まれ。トリノ大学院文学部日本語学科を卒業し2007年から日本在住。
日伊通訳者の経験を経てからフードとライフスタイルライターとして活動。
ロングセラー『サイゼリヤの完全攻略マニュアル』(note)は150万PV達成。
書籍『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』(KADOKAWA)発売中。

望月理恵子
健康検定協会理事長、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、小田原短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。
多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。
『栄養学の◯と×』、『やせる時間に食べてみた!』など著書も多数。