物価高で宿代も外食費も高くて、遠方に出かけるのもままならない、インバウンドで混み合った場所も避けたい、そんな方に朗報だ。房総半島を“150円”で1周できる、とっておきの楽しい旅の裏技があるというのだ。
それは“大回り乗車”と呼ばれるもので、乗車した経路にかかわらず、最安のルートで旅費を計算するというJRの仕組みを利用したもの。乗車駅の隣駅を目的地としてぐるりと回ってくるので、隣駅までの旅費で長旅ができるという。
念のため、問題ないかをJR東日本お問い合わせセンターにも確認すると、
「大回り乗車はルール的に問題ございません。ただし、経路を重複させない、途中下車しない、発着駅は別にする、といったことを守っていただく必要がございます。来た道を戻ることもNGとなります」
との回答を得た。そこで早速、千葉県在住の本サイト記者がチャレンジすることに。千葉駅から東千葉駅までを旅程とし、旅費150円でどこまで旅行気分を味わえるのか実際に体験してみた。

千葉駅に到着したのは、午前9時前。まだ構内の多くの店が開店前だったが、空いているお店でおむすびを調達。あとで気づいたことだが、この“ぐるり旅”では千葉駅より奥の立ち寄り駅にニューデイズ以外の店を発見できなかった。
もっと悪いことに、そのニューデイズも駅構外にあるものが多いため、駅弁や洒落た食事を楽しみたい人は、千葉駅で購入しておくのがベターだろう。

9時23分、内房線君津行きに乗車。繁華街や住宅地を進む中、姉ヶ崎駅あたりから景色が変わってくる。火を噴く煙突や工場が立ち並ぶ“京葉工業地域”だ。田園風景と工場を眺めながら、最初の下車駅・木更津駅に向かった。

木更津駅では上総一ノ宮行きの列車に乗り換えるまでの20分ほど、売店で千葉土産を物色したり、青・緑・黄色とポップな外観の久留里線が横を通るのを眺めたり……。
木更津駅から終点の上総一ノ宮駅までは3時間ほどだ。ボックス席に陣取り、太平洋を臨みながら、千葉駅で買ったおむすびを食す。ちなみに、安房鴨川駅では内房線から外房線に切り替えられる。

