■“特別な関係”港浩一氏の尽力で「とんねるず冠番組」延命へ
制作会社関係者はこう話す。
「とんねるず、石橋さんといえば、渦中のフジテレビと太い関係にありますからね。その太い関係のなかで起きてしまったハラスメント事案なんでしょうね……。
とんねるずのキャリアを代表する番組『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジテレビ系)も、“フジのドン”と称され長年、フジサンケイグループのど真ん中に君臨し続けた日枝久氏(87)に直訴して立ち上がった番組ですよね」
『オールナイトフジ』や『夕やけニャンニャン』(ともにフジテレビ系)などで活躍していたとんねるずだったが、自分たちの番組はなかなか持てずにいた。
そんななか、石橋が当時の編成局長だった日枝氏に「『火曜ワイドスペシャル』をやらせてください。視聴率30%を取ります」と宣言。そこからとんとん拍子に企画が進み、1986年11月に特番『火曜ワイドスペシャル みなさんのおかげですSP パート1』が放送され、その後、『とんねるずのみなさんのおかげです』としてレギュラー化することになったという。
「1月27日の記者会見をもって社長職を辞任した港浩一氏(72)は『オールナイトフジ』や『おかげです』のディレクターを歴任し、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)では初代プロデューサーに就任。
木梨憲武さん(63)が港氏のモノマネをした“小港さん”も名物キャラクターとして人気でしたが、港氏をはじめ、一連の問題で辞任していった上層部と深いつながりがあり、とんねるず、そして石橋さんはフジテレビ内で幅を利かせることができたともっぱらです。
特に港氏との関係はかなり特別だったと言われています。『おかげです』は全盛期、世帯視聴率30%くらい取る超高視聴率番組でしたが、番組後期は数字が落ちていっていた。そこにきてとんねるずの番組は、彼らのギャラ含めて制作費がとんでもなく高いですからね。
“とんねるずの冠番組はいったん終わらせよう”という風潮がフジテレビ内にもあったそうなんです。ところが、港氏が動いたことで『おかげです』はその後、『おかげでした』として延命することになったといいます」(前同)
『おかげです』は88年10月にスタートして97年3月に終了。その3か月後の同年6月に『おかげでした』がスタートし、2018年3月に同番組も最終回を迎えた。
「そもそも視聴率が絶好調なら番組を終わらせないですからね。しかし、港氏の“尽力”もあり、フジでのとんねるずの番組は長らく続いた。一方で、フジテレビは2010年を最後に視聴率3冠から陥落。今に至るまで長らく視聴率不振が続いています。
『おかげでした』も後年はかなり厳しい視聴率になっていましたが、それでも制作費やギャラは高いまま。いつしかフジテレビ内で“お荷物番組”的な存在になっていったと言われています」(同)