1月23日に芸能界から引退した元タレント・中居正広氏(52)の女性トラブルに端を発した一連の問題はいまだ物議を醸しているが、フジテレビの経営体制は大きく変わろうとしつつある。そんななかにあって同局のある部門が崩壊の危機に直面しているという――。
中居氏のトラブルではフジテレビの編成幹部も関与していたと報じられ(フジテレビは否定)、同問題はテレビ界を巻き込んだ大騒動に。3月31日に第三者委員会が公表した394ページに及ぶ報告書では、被害に遭った女性Aが当時フジテレビのアナウンサーだったことが判明。中居氏と女性Aのトラブルを《“業務の延長線上”における性暴力が行なわれ、重大な人権侵害が発生した》と認定した。
また、女性トラブルの前段において、2021年12月に女性Aを含めた女性アナウンサー4人と、中居氏、タレントU氏、前出のフジテレビ編成幹部のB氏が参加した外資系ホテルのスイートルームでの飲み会があったという記載もあった。
人権意識が低く、かつてよりハラスメント行為が蔓延していたと指摘されたフジテレビからは、多数のCMスポンサーが撤退。その多くがまだ戻ってきてはいない。
一連のフジテレビ問題を巡り4月16日、フジ・メディア・ホールディングス(FMHD)の株式7.2%を保有するアメリカの投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」が、新たな12人の社外取締役の選任を求める株主提案を行なった。ダルトン側が提案したのはSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長、STARTO ENTERTAINMENTの福田淳代表取締役(59)、ワーナーミュージック・ジャパンの北谷賢司会長、ダルトン共同創業者のジェームズ・ローゼンワルド氏ら。
「ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏(52)も4月20日の『サンデージャポン』(TBS系)に出演した際、フジテレビの再建に意欲を示していましたね。堀江氏も重要な役割を担うことになりそうだという声も聞こえてきています。そんなか、フジテレビサイドも4月30日に、改革案を示しました」(広告代理店関係者)
4月30日、FMHDとフジテレビは総務省に再発防止策などを報告。そこには、役員の定年制の厳格化、社外取締役の在任期間に上限を設けること、相談役・顧問制度の廃止も盛り込まれた。さらに、フジテレビが1980年代に掲げた「楽しくなければテレビじゃない」というスローガンを撤回。編成局とバラエティ制作局などを解体・再編し、アナウンス室は編成局から独立させ、同室の権限を強化することになるという。
フジテレビの清水賢治社長は取材陣に対して、「面白いこと楽しいことってのはとても大事ですが、それは誰かの犠牲の上に成り立つものではない。すべての番組において誰かが犠牲になることは許されない、ということを厳しく戒める」とコメントをしている。
前出の広告代理店関係者は言う。
「総務省にも出された再発防止案の中にもある“編成局とバラエティ制作局などを解体・再編”――これは非常に重いものですよね。そんななかで一連の中居氏・フジテレビ問題の“元凶”とされ、厳しく糾弾されているフジテレビのバラエティ部門は、ほどなく壊滅的な状態になってしまうのではないかと危惧する声も出ています」