■バラエティ部門がフジテレビを牽引しているが……
フジテレビのバラエティ制作局の社員は今、どんなに面白い番組を作っても、高視聴率を取るなどの結果を残しても、“評価はされないし、もう出世も期待できない”という空気感になっているという。
「同局の社員のモチベーションは著しく低下しているといいます。中には“もう出社するのやめよう”、“テレワークで適当にすればいいでしょ”という人まで出てきているそう。
かつてのフジテレビといえば、ドラマが強いテレビ局でしたが、今や月9ブランドも崩壊。ここ最近はドラマでは視聴率が取れず、バラエティ番組が唯一、他局と戦える部門だったんです。そのバラエティの制作マンがやる気を失っているというのは、非常にマズいことですよね」(前出の広告代理店関係者)
視聴率が低迷しているフジテレビだが、他局に負けない視聴率を取るバラエティ番組も少なくない。
現在、テレビ各局は若年層の数字である13~49歳のコア視聴率を重視しているが、4月12日に4時間超にわたって放送された『新しいカギ カギダンススタジアム 日本一たのしいダンス決定戦』のコア視聴率は4.8%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)、20日放送の『千鳥の鬼レンチャン』(すべてフジテレビ系)2時間SPも4.6%、27日放送の『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP マッサマンスピン&パリピ孔明爆破SP』は4.7%と、非常に高い数字を記録している。
「他局に負けるどころか、むしろコア視聴率はかなり高い番組もあるんです。『ドッキリGP』からはSnow Man・向井康二さん(30)扮するマッサマンというスターも誕生し、子どもたちにも大人気ですよね。
これほどのコア視聴率を取れるドラマや情報番組はフジテレビにはありません。数字を取っていて多数の番組ファンもついている、こういったバラエティ番組を担当する社員たちが著しくやる気を失いつつあると。
もちろん、ハラスメント文化は一掃され、指摘された人権意識の低さなどは早急に改善していく必要があるでしょうが、今後生まれ変わるであろうフジテレビの未来を担う有望な社員たちが、“自分たちにはもう未来がない”と将来を悲観する状況にあるというのは、非常に良くないことでしょうね……」(前同)
一連の問題を機にフジテレビを離れた若手社員もいるという。そこにきての「楽しくなければテレビじゃない」の撤回と編成局とバラエティ制作局などを解体・再編――現在のフジテレビを支えるバラエティ部門への影響は計り知れない。