■原作からの改変について読売テレビ、ぶんか社に問い合わせた

 また、ドラマ『子宮恋愛』を放送している読売テレビは日本テレビの系列局だが、日テレは原作者の芦原妃名子さんが亡くなくなるという『セクシー田中さん』(23年10月期)の原作改変を巡るトラブルが勃発した局で、また『子宮恋愛』の制作会社が『セクシー田中さん』と共通していることから、

《子宮恋愛という女性向け漫画がドラマ化されるのはいいんだが、セクシー田中さん的な事になってんのは洒落にならない》
《セクシー田中さんのスタッフが多く絡んでるらしいが、なんも反省してないのな……子宮が恋したとか原作言わんやんけ》

 と、連想する声も。

 なお、『子宮恋愛』に『セクシー田中さん』の男性演出家が携わっていることも物議を醸しているが、大荒れとなっている第1、2話の担当ではないため、《演出回はまだ放送してないのに 早とちりしすぎ》と、批判する意見を諫める声もある。

『セクシー田中さん』は芦原妃名子さんの同名漫画(小学館)を原作にドラマ化されたが、原作者が望まぬ原作改変が行なわれた末に、芦原さんが24年1月に逝去。騒動を重く受け止めた日本テレビは“原作者軽視”とも言われたドラマ制作過程を改善するべく24年7月に「ドラマ制作における指針」を発表した。

 同指針は原則として放送の1年前には原作側・ドラマ制作側で、ドラマ化の企画の基本的な合意が形成できるようにするなど、“原作者ファースト”の姿勢を徹底するという内容である。

「そうした指針があるなかで、日テレの系列局である読売テレビで制作・放送されている『子宮恋愛』の原作とドラマの内容がかなり違っていて、視聴者から“また原作軽視?”“原作者のOKが出てる?”と疑いの目が向けられているということですよね」(前出の女性誌編集者)

 そこで本サイトは読売テレビに、日本テレビが昨夏出した「ドラマ制作における指針」は読売テレビでも徹底されているのか。そして、『子宮恋愛』でもそれが反映されているのか確認を行なったところ、同ドラマのチーフプロデューサーの福田浩之氏から、

《本作品に関しては、佐々江典子先生と綿密に打ち合わせをし、確認をとりながらドラマ化しております》

 と、回答があった。

 そして、上記回答を踏まえて、原作の版元であるぶんか社にも問い合わせたところ、担当者から、

《同じ認識で間違いございません。読売テレビ様のおっしゃる通り、脚本に入る前に佐々江先生も交えて打ち合わせなど実施し、原作者の意思を尊重した形で脚本の制作をしていただきました。また、脚本の決定稿に関しても、最終的な状態のものを佐々江先生の方で確認させていただいています》

 と回答があった。ドラマ『子宮恋愛』は原作を尊重したドラマづくりがされているのは間違いない。

 また、原作者の佐々江氏は『子宮恋愛』初回放送時に《ドラマ予告動画〜どうぞ》と、予告動画を引用リポストしたほか、事あるごとにドラマ関連のポストをリポストしていることから、ドラマ制作サイドとの関係は良好なのだろう。

 そんな『子宮恋愛』には前述のように厳しい声が多く寄せられている一方で、

《ただの不倫ドラマじゃなくて、人の心の弱さや欲望を浮き彫りにするストーリーが面白い》
《子宮恋愛ギャグとしてみたら面白いかも》

 といった好意的な声も寄せられている。

「ただ、やはり視聴者の厳しい声は多いですね。原作の佐々江氏はドラマに好意的で、原作漫画は過激な描写もあってとても地上波でそのまま流せないでしょうから、ある程度の改編はやむを得ない部分はあります。タイトルにもある“子宮”を誇張する演出も、分かりやすさを意識してのことだったのかもしれません。

 しかし現状、視聴者が求めるもの、制作サイドの狙いにはズレが生じてしまっているとも言えるかもしれませんね……」(前同)

 連続ドラマ『子宮恋愛』はまだ序盤。原作者の意向が尊重されている以上、今後、原作ファンも納得する展開を見せるのかもしれない――。