近年でまれにみる「再現率の高い」映像だったのではないかーー。
注目を集めているのは、男女が逆転したパラレルワールドでの江戸城を舞台にしたNHKドラマ『大奥』。3月14日に放送された最終回第10話では、徳川幕府8代将軍の徳川吉宗役を演じる冨永愛(40)が亡くなるシーンが放送された。
『大奥』は少女漫画誌『MELODY』(白泉社)で連載された、漫画家・よしながふみの作品で、2004年〜2021年までの17年間に渡る長期連載。全19巻の発行部数は累計600万部で、2009年の手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した名作。
「最終回を迎え、冨永さん演じる吉宗の時代が終わりました。
今回の放送では、貫地谷しほりさん(37)演じる吉宗の側用人・加納久道が、吉宗と跡目争いをしていた人物たちを裏で暗殺していたという事実が発覚し“一炊の夢を見させていただきました。良き夢にございました”という久道のセリフに、吉宗が号泣する場面も。
この久道の生涯揺らぐことのなかった忠誠心や、年老いた2人の静かな会話劇と相まって、視聴者も泣きっぱなしの回になったんじゃないでしょうか」(芸能誌記者)
しかし、物語のキーとなる男性しか罹らない奇病『赤面疱瘡』の治療法は見つからず、百姓一揆まで頻発する事態に。
「優れた将軍だった吉宗でさえも解決できない問題が山積みのまま、時代は三浦透子さん(26)演じる吉宗の長女で、言語障害のある家重へとバトンタッチして幕を閉じました。
このもどかしい幕切れも、史実をベースにした物語だからこそですね」(前同)
最終回を見た視聴者からは
《原作は原作の良さがあるし実写には実写の良さがあるよね...ってはじめて思えた実写化作品かもしれない》
《冨永愛さんの表情がたまらなくよかった。久通との最後、杉下が亡くなるシーン、吉宗が倒れてから走馬灯のように歴代上様シーン、渋谷に佇む冨永愛さまのカッコいい後ろ姿(特にお尻!)もっと見ていたかった!!》
《今期、最も壮大なドラマは「大奥」だったな!男女逆転SF時代劇という、吹っ飛んだ設定ながら、防疫、経済、ジェンダー、策略、そして美しく狂気的な愛と盛り沢山なエンタメ作品だった!》
《すげええ、冨永愛劇場と三浦透子劇場、合間合間に貫地谷しほりミニ劇場が挟まれて、45分ドラマとしての構成バッチリ!!! 》
《冨永吉宗と貫地谷久通の並び立ったときの身長差がさ、ホント原作通りで、このドラマ班のキャスティング力すげぇわ。来週の年老いた2人が座って外を眺めている場面カットもすごく原作愛を感じまくりだし。視聴者の期待を超えてくる日本のドラマは大河以外では久しぶり》
《どうしてみんな、こんなに演技が全力で熱くて繊細で情感たっぷりで見事なんだろう。疫病が起こす男女逆転から怖いほど人間の思い込みや業や儚さをあぶり出す。歴史的事実まで絡めて。極上のドラマだった。冨永愛、風間俊介(39)、三浦透子、貫地谷しほり、MEGUMI(41)…もう全員が圧倒的名演!》
と、感動のコメントで溢れていた。