■制作統括も「ピュアな人柄で誠実」と太鼓判
誠実でカッコいい千尋役を好演し、人気急上昇中の中沢だが、視聴者だけでなく制作陣からの評判も上々のようだ。
『あんぱん』制作統括の倉崎憲氏は5月14日配信の『マイナビニュース』で中沢を《本当にピュアな人柄で誠実》と評し、現場でも前室の過ごし方や、スタッフや北村との距離感などが素晴らしいと絶賛。さらに倉崎氏は、中沢が文武両道の千尋を演じるにあたり、クランクイン前からジム通いでビルドアップしたことに触れて、《千尋役としての説得力を持たせるためにあらゆる努力をしてくれていました》と、讃えている。
「中沢さんは過去にインタビューで、事務所社長でトップ俳優の小栗さんに憧れていること、“器の大きな役者になりたい”と目標を掲げていることも明らかにしています。高身長で優しい爽やかイケメンのビジュアル面、高い演技力だけでなく、役者道を追求しようと努力している真面目な人間性が伝わってくることも、女性人気が高い理由ではないでしょうか」(前出の女性誌編集者)
『あんぱん』で人気上昇中の中沢について、朝ドラウォッチャーでもあるドラマライター・ヤマカワ氏はこう分析する。
「初めて中沢さんを俳優として認識したのは、日曜劇場『下剋上球児』(TBS系)で悩みを抱えるエースピッチャーを演じたときでしたが、そのときも感じた、内面からにじみ出てくる純粋な人柄が、『あんぱん』の千尋をいうキャラクターに説得力を与えていると思います。
また、千尋が法律家を目指そうとしたときの聡明な瞳、のぶ(今田)への想いをメイコ(原)に悟られたときの切なげな瞳など、複雑な千尋の心情を表現する黒目がちなつぶらな瞳も、見るものが引き込まれてしまう魅力ですね。
やなせ兄弟の史実どおりに描かれるとすれば、中沢さんの“退場”はそんなに遠くないと思いますが、その分、いち早くクランクアップした彼が、新たなドラマや映画のオファーを受けることに期待したいです」
兄役の北村を食いかねない魅力を見せ続けている中沢。『あんぱん』は今後、太平洋戦争に突入するなどシリアスな物語が描かれることになるが、中沢演じる千尋はどうなっていくのか――。
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。