■価値観とライフスタイルに寄り添うシェアハウス
このように、シェアハウスは単なる共同生活の場から、多様な目的や価値観を持つ人々が“共鳴”しながら暮らす場へと進化を遂げました。
「ひとりの時間も欲しいけど、孤独にはなりたくない」――。そんな令和世代の本音を、ソーシャルアパートメントやコンセプトシェアハウスは見事に受け止めています。これまでのシェアハウスとは異なる視点から、若者のライフスタイルや価値観の変化を映し出す“鏡”のような存在と言えるのではないでしょうか。
今後も多様化が進む中で、ペット共生型や育児支援型、クリエイター向け、あるいはシニアとの多世代共生型など、さらに細分化されたニーズに応える新たなシェアハウスが続々と登場することが予想されます。
賃料の高騰や不安定な雇用、将来への漠然とした不安といった現代特有の課題に向き合いながら、同じ価値観や夢を持つ人々と寄り添い、支え合える場──。それが、令和版シェアハウスが支持される最大の理由と言えそうです。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。