■「学校かくれんぼ」制作危機と誕生秘話
学校企画のロケの場所は当然ながら学校。学校側やPTAは「今、フジテレビの番組に我々の学校が出るのはよくないのではないか」と懸念するようになったようだ。
「生徒の顔も全国にオンエアされますしね。PTAと教員を中心にフジテレビ問題が物議を醸し、撮影が決まっていた学校の中にも難色を示す学校もあったそう。そういった学校に番組スタッフが緊急で足を運び、話し合いが持たれたともいいます。
ただ、ここ最近の放送回にも『学校かくれんぼ』がありましたし、今後の放送でも学校企画があるので、一時の危機は乗り越えたと見られます」(前出の制作会社関係者)
5月3日の2時間SPでは小学生からの熱望に応じ、「学校かくれんぼ」を佐賀の小学校で開催。カギメンバー、向井理(43)、あの(年齢非公表)が生徒との真剣勝負を繰り広げた。
また、5月24日の2時間SPでは、校内で生徒たちに紛れている先生を見つけ出す企画「ティーチャーをさがせ!」、粗品率いる全校生徒とカギメンバー6人が大喜利で対決する「ハイスクール大喜利」が放送される予定だ。
「今や『新しいカギ』の主軸はコントではなく学校企画です。学校企画が、深刻な低視聴率で苦しんでいた『新しいカギ』の打ち切り危機を救ったとも言えるわけですが、その代表企画である『学校かくれんぼ』が生まれたのは、番組に初期から参加している構成作家の発案からだったといいます。
企画を提案した構成作家は他業界を経て、今は作家業がメイン。作家業以外の仕事もしていて、“テレビマニア”ではないというバランス感覚に優れた人。他業界にも精通しているので、テレビ一筋で働いているテレビマンや作家とは違う視点でアイデアを出せる人だと評価されています。
“若年層の視聴者が見てくれる企画を作りたい→彼ら自身を巻き込む形にすればいいのでは→では学校でロケをしてしまえばいいのではないか”、そうした発想で『学校かくれんぼ』は誕生したと言われています。テレビ界の常識にとらわれている人は、“できない理由”“困難な要素”を先に上げがち。それでは、さまざまな障害が考えられる学校でのロケは、なかなか思いつかないですよね。
業界内では異色とも言える構成作家が、バラエティの視点だけではなくビジネス的な視点も持って『学校かくれんぼ』を生み出し、『新しいカギ』の屋台骨を築くことになったと言われています」(前同)
すでに人気番組だった『新しいカギ』だが、国際映像コンクールで賞を受賞したことでさらなる人気を得て、窮地のフジテレビを救う存在になっていくだろうか。