元タレントの中居正広氏(52)の“反論”に、フジテレビなどが設置した第三者委員会が返答。それに対して、中居氏サイドが再反論する展開になっている。

 第三者委員会は、3月31日に公表した調査報告書で、2023年6月2日に起きた中居氏と元フジテレビ女性アナウンサーAのトラブルについて、世界保健機関(WHO)の定義に基づき、《業務の延長線上における性暴力だった》と認定した。

 それから43日後の5月12日、中居氏の代理人弁護士・長沢美智子氏らは、性暴力認定について文書で反論。「性暴力」という言葉から一般的に想起される《暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されませんでした》と主張した。

 一個人の名誉・社会的地位を著しく損なうとしたうえで、中居氏の人権救済のため、5月26日までに以下の資料の開示を求めた。

《1.本調査報告書作成のために用いられた一切のヒアリング記録及びその他の証拠》
《2.性暴力があったとの認定は、どのような証拠に基づいてされているのか、その証拠と、認定と証拠との対応関係がわかる資料》

 これに対し第三者委員会は5月22日、《ご請求をいただいた資料につきましては、開示を差し控えます》と回答。理由について、

《1.当委員会はFMH(フジ・メディア・ホールディングス)及びCX(フジテレビ)に対して守秘義務を負っていること》
《2.当委員会が準拠した日本弁護士連合会「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」は、「第三者委員会が調査の過程で収集した資料等については、原則として、第三者委員会が処分権を専有する。」としていること》
《3.当委員会が調査の過程で収集した資料等を一部の関係者に開示することは、当委員会を信頼して調査にご協力いただいたその他の関係者の当委員会に対する信頼を損ない、当委員会の独立性・中立性をも損なう結果となるから》

 と説明した。

「資料の開示は拒否していますが、釈明要求には答えており、第三者委員会の立場を明確にしながら、中居氏が行なったことをどのようにして『性暴力』と認定したかを文書内で説明しています。そうして、第三者委員会はあらためて《当委員会の事実認定は適切であったと考えております》と綴っています。

 それに対して、中居氏側の代理人弁護団は翌日の23日、“再反論”の文書を出したんです」(ワイドショー関係者)

■有名弁護士からもさまざまな意見

【本⼈の⾳声データの再要求等のご連絡】と題された文書では、中居氏の弁護団は《貴回答書は当職らの釈明要求に全く答えておらず、当職らとしては、到底承服いたしかねます。》とし、《少なくとも、貴委員会のヒアリングにおける、中居⽒の⾳声データその他関係する反訳書等については、本⼈に開⽰できるはずです。当職らは、これらを再度要求させていただ きますので、5⽉28⽇(水)代理⼈事務所に必着でご対応ください。》と要求した。

 さらに、《来週には以下の5点を含む諸論点を加えて、さらに釈明を求める予定です。》とし、

1 予防政策・疫学研究等を⽬的とした公衆衛⽣上の概念であるWHOの定義を使⽤したことについて 2 守秘義務に対する貴委員会の調査範囲及び調査対応について 3 貴委員会によるヒアリングの⼿法及び中居⽒に対するヒアリングについて 4 「業務の延⻑線上」という拡⼤解釈について 5 貴委員会の権限と限界について 

 を綴った。

「第三者委員会の回答書に対して、中居氏側の弁護団が再度の要求を出し、さらなる釈明も求めようという状況ですね。

 今回の双方の動きに世間は注目。中居氏に一連の話を聞いたと明かしている橋下徹弁護士(55)は自身のXで《フジテレビ第三者委員会の完全なミス。法律家として大失態。日弁連のガイドラインを持ち出せるのは依頼者であるフジテレビに対してだけやで!》《フジテレビ第三者委員会は、中居氏に事実や証拠を開示できないなら、中居氏を裁いてはいけないという法の大原則も分かっていない。この弁護士集団はダメだこりゃ》と第三者委員会を痛烈に批判しました」(前出のワイドショー関係者)

 一方で、テレビ出演なども多い紀藤正樹弁護士(64)はXに《次の一手が今回の再要求だと、次も第三者委員会の三行半の回答が予想される。再々要求しても同じ展開が予想できる。今後の落とし所をどこに定めているのか、中居弁護団の次が気になる》と綴った。

 元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士(54)は、WEBメディア・ENCOUNTの取材に、そもそも中居氏が第三者委員会のヒアリングの際に録音を条件にすべきだったとし、それを今、要求しても調査過程全体の秘密保持義務を負う第三者委員会は応じないだろうとし、《この先、裁判になったとしても、調査資料は「第三者委が内部で利用する文書」だとして裁判所は提出を命じず、中居氏は入手できない可能性が高いと思う。》としている。

「法曹界からもさまざまな見解が出るなか、一連の動き、報道を気にしている人たちが注目しているのは、中居氏と女性との間のショートメールの件です。

 中居氏は、第三者委員会の調査報告から40日以上経って反論を開始したのですが、このタイミングでも中居氏が反論するという決断に至った“大きな拠り所”になっている、と関係者の間で言われていたのは、女性Aとのショートメールの存在だったんです」(前同)