春ドラマはそれぞれ中盤戦に入ってきているが、月9ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系/毎週よる9時)と、火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』(TBS系/毎週よる10時)が、配信サービス・TVerのお気に入り登録数が100万を超え、2強状態となっている。この2作がヒットした理由は、リアリティにありそうだ。
まず、小泉今日子(59)と中井貴一(63)がダブル主演する『続・続・最後から二番目の恋』は、古都・鎌倉を舞台に、ドラマ制作部ゼネラルプロデューサー・吉野千明(小泉)と、鎌倉市役所を定年退職後、観光課で指導監として働いている長倉和平(中井)の、大人の恋を描いたロマンチック&ホームコメディ。
岡田惠和氏によるオリジナル脚本で、2012年の第1期、14年の第2期に続く第3期となる。主要な俳優陣全員が“実年齢”に合わせて各キャラクターを演じており、シリーズをリアルタイムで見続けてきた古参ファン狙いかと思いきや、X上での反響を見ると、若い世代にも支持が広がっている。
今期も物語の序盤はシリーズおなじみの、長倉家と千明たちの“わちゃわちゃ”がメイン。しかし、中盤に入ってからは、和平と成長した娘・えりな(白本彩奈/23)との関係、定年を目前にした千明の新しい恋、専業主婦の典子(飯島直子/57)が抱えるモヤモヤなど、年齢相応のリアルな話題を解像度高く描いている。
そのためか、X上では《恋愛が主軸だけど、年齢を重ねたからこその友情とか、仕事の悩みとかも描かれてるのが良い》《コレを見てると歳をとる事って素敵な事だな、と思う。その年齢の時の感性でしか味わえない事が沢山あるので未来も楽しみになる》などと、一歩踏み込んだ共感の声が多い。
さらに、“わちゃわちゃ”だけでは終わらず、厳しい現実を突きつける岡田氏の脚本構成も見事。厳しいだけで終わらずに最後は救いも用意されており、その誠実な作りが受けたのか、X上では、《面白いな~親が見てた頃はまだそこまで面白さわからなかったけど今はこのドラマみると憂鬱な明日をなんとか乗り越えられそうな気がする》などと、中高年の視聴者だけでなく、その子ども世代にも支持されている。