■自動で献立を考えるアプリも登場
株式会社Menu For Todayが提供するアプリ『Frish』は、冷蔵庫にある食材を入力するとAIが品目を特定し、賞味期限の近いものから順に献立を提案してくれます。調理時間やカロリー、使用する食材数などの情報を提示しながら、ユーザーの気分や好みに合わせてレシピを柔軟に変更できるのも特徴です。
献立を選ぶと、使い切る食材と不足分が買い物リストに自動反映され、購入後は在庫登録も可能。調理手順もアプリ内で確認でき、冷蔵庫の管理から食事の準備までを一元化できます。
視覚障害者の暮らしを支えるAI技術の向上も見逃せません。ソニーは昨年、自社のイヤホン『LinkBuds(リンクバッズ)』が、視覚障害者の歩行を支援するアプリ『Eye Navi(アイナビ)』に対応したと発表しました。障害物の方向から音声が流れる仕組みで、歩行に必要な情報だけを提供することで快適な使用感を実現しています。
さらに、大阪・関西万博では、目の不自由な方を“ある形”のロボットが誘導する様子が注目を集めています。「一見普通のスーツケースに見えるが、目の不自由な方のために先導する未来のモビリティ」と紹介されたそれは『AIスーツケース』。内部にはセンサーやカメラが搭載され、周囲の状況をAIが分析。利用者の装着するイヤホンに「人がたくさんいます」などと音声で伝え、人込みでは停止したり方向を変えたりして目的地まで導いてくれます。
TBS日曜劇場『ラストマン―全盲の捜査官―』では、福山雅治さん演じる全盲の捜査官・皆実が、周囲の状況を音声で伝えてくれるカメラを使っていましたが、こうした技術も現実のものとして開発が進んでいるのです。
「AI技術の進化によって、日々の暮らしが驚くほど便利になっています。特に家庭での食材管理や献立提案は、忙しい現代人の強い味方です。今後もこうした技術がさらに普及し、生活の質が向上することが期待されます」(生活情報サイト編集者)
AIが支える暮らしは、これからの生活に欠かせない一部となっていくのかもしれません。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。