■農水省ランチをいざ実食
トレイを持って、まずはメイン料理から。
スペシャル定食の三元豚ステーキは焼き立てが供される。香ばしい豚テキに、ガーリックがしっかり効いている。沖縄の三大高級魚オナガダイは、肉厚でふっくら2切れも。
その先に待つのは、作り置きの小鉢だ。ひじきや、きゅうりの和え物、モツ煮に里芋煮、切り干し大根など、積み上げられた小鉢から2種類をセレクトできる。

大きなつみれが2つも入った味噌汁に使用されている味噌は、国産原料使用。
豊富な食材量と国産原料にこだわりが滲み出るあふ食堂で、スペシャル定食の自給率は49%、魚定食は65%。
日本の食料自給率38%という現状を鑑みると、高い国産食材率。高価格になるのも頷ける。
そして、肝心の白米は、福島県産米が茶碗にこんもりと盛られているが……ううん、味は普通。冷めかけた米は少しパサついており、小学生時代の給食を彷彿とさせる。
「炊きたてのカリフォルニア米を食べた方がおいしいのでは」
という感想は飲み込んでおこう。
有機野菜や国産食材をふんだんに使用した献立は目を引き、成人男性も満足する量で良いランチにはなった。とはいえ、格安とも言えないし、肝心のお米も巷の定食屋と大きな差は感じない。
渋々食堂を出ようとすると、1枚の見慣れた“お知らせ”が。
「さまざまな対策を講じ価格維持に努めてまいりましたが、困難な状況が続いております。誠に不本意ではありますが——」
ここにも物価高騰の波あり。6月2日から最大100円の値上がりがあるという。
小泉進次郎新農相のもと、備蓄米の随意契約による売り渡しに邁進する農水省。各家庭に美味しい国産米がいきわたるまでもう少し――。米価の低下を心待ちにしながら、農水省を後にした。