■日本人も行かない「駅」に外国人が殺到

 また、SNSを通じて外国人観光客に注目を集めていたのが「秘境駅」。山奥などの人里離れた場所にポツンとあって、一日の停車本数も少なく、車などでのアクセスも難しい駅を指す言葉ですが、とりわけ、人気だったのが愛媛県の下灘駅と静岡県の奥大井湖上駅だといいます。

 両駅とも日本人でも訪れる人が少ない場所ですが、下灘駅は夕日に沈む海の絶景と昭和の面影を残す駅舎が特徴で、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』のインスピレーション源としても知られています。一方、エメラルドグリーンの湖に浮かぶ奥大井湖上駅はアクセスが難しいにもかかわらず、その美しさに魅了された外国人が殺到。いずれの駅も、非日常的な風景と静かな雰囲気が旅行者を引き寄せ、SNSで「映え」スポットとして話題になっています。

 観光業は外国人観光客のニーズに合わせて進化し、より多様な旅行者に対応する形で変化していくことが求められています。今後、外国人旅行者は単に観光名所を巡るだけでなく、現地の人々との交流や、日常的な体験を楽しむことで、日本の新たな魅力を発見していくことになるでしょう。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。