■女性視聴者は“美人な同性”より“BLドラマ”の方が感情移入できる
なぜ、ここまでBLドラマが多く制作・放送されるのか――前出の制作会社関係者はまず、“局側のメリット”を話す。
「“BL”というジャンルに、しっかりと女性ファンがついていて、成功の可能性が高いことが大きいですよね。たとえば、フジテレビでは昨年2月にFODで金子隼也さん(25)と野村康太さん(21)がダブル主演する『パーフェクトプロポーズ』(全6話)を配信するなど、年イチペースで制作されています。
家族の前では視聴しづらいジャンルのため、基本的に深夜放送で、最初から配信ありきで制作されていますが、そもそも地上波のCM収入ではなく、配信での収益に加えてイベント、関連商品やポップアップストアでの売り上げが見込めるジャンル。ポップアップストアでは、クリアファイル、アクスタ、ステッカー、パスケースなどの関連商品が次々と売れるといいます。
香港での逮捕劇が大々的に報じられてしまったONE N’ ONLYの元メンバー・上村謙信さん(25)の件も、BLドラマのイベントで訪中した先での騒動でしたよね」
上村被告は本島純政(20)と、韓国の人気BL漫画が原作の連続ドラマ『未成年〜未熟な俺たちは不器用に進行中〜』(読売テレビ/24年10月期)のダブル主演を務めていた。
同ドラマは、3月1日に中国・香港でもファンミーティングが開催されるほどの人気を博していた。しかし、上村が通訳担当者の女性にわいせつ行為をしたとして現地の警察に逮捕されたと同月5日に地元メディアが発表。これにより、日本やタイ・バンコクで予定されていた同ミーティングも中止となった。
騒動を受けて、上村被告は3月4日付で所属事務所から契約解除され、4月15日から現地で裁判がスタート。裁判長は次回審理を7月30日に行なうと告げ、それまでは引き続き、上杉被告の保釈を認めたという。
番外ではそんな事件もあったが――前出の制作会社関係者は次に「BLドラマが女性視聴者にウケる理由」を、こう解説する。
「たとえば、山下智久さん(40)と石原さとみさん(38)、佐藤健さん(36)と綾瀬はるかさん(40)といった、美男美女の俳優同士による恋愛作品があったとします。
しかし、石原さんや綾瀬さんといった超美人な女優に、一般女性が感情移入することはなかなか難しいんですよね。それは、劇中でヒロインが“恋愛下手”だとか“奥手”というキャラ設定で最終的に結ばれる話だとしても、“結局、かわいいんだからうまくじゃん”というシラけた感情を抱いてしまうから。
それがBLだと、“受け側”に自分を重ねることで、女性視聴者は感情移入しやすくなるといいます」