■長嶋さんが大谷選手に送った言葉

 セコムは「夢の対決」編と題して、昭和、令和の時代をそれぞれ代表するスーパーヒーローの対決を実現。CMは大谷選手の「60年前、一人の日本人にアメリカから実は声がかかっていた」というナレーションから始まる。

 背番号3のユニホームを身にまとった若き日の長嶋さんを相手に、「今、僕はその場所で挑み続けています」という大谷選手のナレーションにあわせて、“ピッチャー大谷”の腕からボールが放たれる――という内容。そして、2人によるお約束の“セリフ”「セコム、してますか」で、CMは締めくくられる。

「昭和と令和のスター選手。2人の夢の競演に多くの野球ファンが沸いたCMですね。公開に先立ち、セコムの公式Xでは、大谷選手は長嶋さんに向けて“大変光栄に思っています”と共演についてメッセージ動画を公開しましたが、それを受けて長嶋さんもコメントを出していました」(前出の夕刊紙記者)

 3月14日、セコムの公式Xは《長嶋茂雄 さんから 大谷翔平 選手への返信》として、長嶋さんによる文書のメッセージを投稿した。

 長嶋さんは大谷選手に対し、《シーズン中の活躍もさることながら、日本全国の小学校へグローブのプレゼント、1月のロサンゼルス山火事で被災された方へ寄付をされるなど球場外でも、野球を愛するファンをはじめ多くの方達に寄り添う姿は同じ野球人として誇りに思います》と、人柄を絶賛。

 CMのなかで大谷選手と“対決”していることに《私自身、喜びと興奮が入り交じっています》などと触れてから、《CMをご覧になった方達も大谷選手と私の、対決の行方を楽しく想像して頂きたいですね。そして、野球の素晴らしさを改めて感じて頂けたら、こんなに嬉しいことはありません》。そして、

《最後に…大谷選手、これからも多くの野球ファンの希望であり続けてください》

 と、大谷選手に球界の未来を託すようなメッセージを送っていたのだ。

「選手としては昭和に、監督としては昭和~平成に輝いたスーパースター・長嶋さん。彼は“ファンあってのプロ野球”をモットーに活躍してきました。そんな長嶋さんが大切にしてきた野球への思いは、令和のスーパースター・大谷選手へと託されていたということでですよね……」(前同)

 日本野球界を牽引し続けてきた国民的ヒーローは、次代の国民的ヒーローとの共演を果たし、天国へと旅立っていった――。