眠らない街・歌舞伎町。この街の姿が一変したのは昨年4月のことである。
「歌舞伎町のホストクラブで女性客が高額な料金の請求で借金を背負わされる“売掛(ツケ払い)”が廃止となったのです」(全国紙社会部記者)
売掛金の廃止については2023年12月、新宿区役所で吉住健一区長とホスト側が話し合いの場を持っている。この会合には区内のホストクラブ約300店舗のうち、220店舗が加盟する18ものホストグループが参加した。
「会合後には2024年1月から段階的に売掛を減らし、4月から歌舞伎町では売掛金を完全に廃止すると表明していました」(前同)
国会の場でも当時首相を務めていた岸田文雄衆院議員(67)が「返済のために海外での売春を勧められる事例があると承知している」と述べるなど、高い注目を集めてきたホストクラブの売掛金問題。この制度が表向きは廃止されたことで現在、歌舞伎町では新たにホスト個人による“立替”が横行しているという。
歌舞伎町の現役ホストが話す。
「売掛は店が客に伝票へとサインをさせていましたが、これらの制度は歌舞伎町では廃止された。そこで新たに生まれたのが“立替”という制度です。立替は、ホスト個人が客にお金を貸すようなもの。客と担当ホストとの個人間での借金です。客が借金を背負わされるという点は変わりません。伝票があった売掛金とは違い、個人間での借金のため信用貸しのような形になる。売掛金よりも悪質です」
売掛金制度が廃止されたことで、立替のほかに以前から歌舞伎町にあった“前払い制度”も広がっている。客が事前にある程度の金額をデポジットとして店へ預け、そこから飲食代が引かれていく形だが、これによるトラブルも起きている。
「前払いで預けたお金の範囲で飲食をする客も増えましたが、これも一概に良いとは言えません。毎月の給料をそのままホストに預けて管理されるような客も増えてしまった」(前同)