■中居氏への“怒り”――「そう取っていただいて結構です」

 1月22日の会見で大多氏は、2023年の時点ではフジテレビの専務取締役だったことから、事件の報告を受けて、港社長に上げていたとコメント。非常に重い案件のため、「この女性(被害女性A)のケア、プライバシー、人権、精神のケアというのを本当にどれだけしっかりとやらなければいけないというふうに強く思ったのを覚えております」と語っていた。

 そして、トラブルを把握後も中居氏のレギュラー番組『だれかtoなかい』(※事実上の最終回は24年12月末)を続けていたことに関して「中居を守ろうとか、そういう意識はなかった」と、明言。

 中居氏に対する言葉を聞かれると、「事案だけを見れば、示談もされていますし、守秘義務もあるので、そこに私がどうこう言うことはない」とした上で、「番組を漫然と続けていこうなどと思ったことは一度もない、という気持ちと一緒です」と表現。記者から「それはある種の怒りなのか?」と向けられると、「そう取っていただいて結構です」と、言い切っていたのだ。

 同会見は当時、世間から“ちゃんと身内に厳しい”など評価されていたが――、

「世間の評価の一方、フジテレビ局内では“どの口が言っているのだ!?”といった厳しい声が多く出ていたといいます。3月31日に公表された第三者委員会の調査報告書からも分かることですが、大多氏も当事者の1人であり、彼の“判断ミス”も、中居氏と女性の間のトラブルが大問題へと発展した要因のひとつですからね」(前出の夕刊紙デスク)

 第三者委員会は、中居氏と被害女性A​​のトラブルは世界保健機関(WHO)の定義に基づき、《業務の延長線上における性暴力だった》と認定。また、同報告書ではフジテレビの社風を《人権意識が低く、セクハラを中心とするハラスメントに寛容》と、厳しく断じた。

 そして、大多氏を巡っては、被害女性が中居氏からの性被害を同局に申告した際に、港氏、編成制作局長と共に《プライベートな男女間のトラブル》と判断していたことを報告。《性暴力に対する無理解と人権意識の低さが見て取れる》と断じた。

 第三者委員会の報告書を受けた大多氏は「第三者委員会の指摘を真摯に受け止めたい。責任を取りたい」として、4月4日付で関西テレビの社長を退任した。

 今回の騒動で一時は株を上げた大多氏だったが、問題の内実が露見して以降、世間からも一転して厳しい声が寄せられることに。

《最初の会見で他人事のようなこと言ってたけどもろに当事者》
《先の会見では、自分はきちんとやってたみたいに話していたけど、第三者委員会の報告書が出て、こうやって惨めな社長辞任会見だもんね》
《結局、大多亮も悪の根源の1人じゃん。(略)自分の思い通りに女性アナウンサーを扱ってたんだろうね。綺麗事はもういらないし、通用しない》
《事件発覚後の会見で自分は上にすぐ上げて対応したとか偉そうに言ってたけど対応しなきゃいけない張本人で何もしてないという。。最低ですよ》

 と、非難する声が多く寄せられることになった。

 大多氏が一時的に株を上げた“中居氏への怒り”会見は、結果として信頼が失墜する一撃となってしまったようだ。そして、そんな大多氏は今後、専務取締役まで務めた古巣と裁判の場で向き合うことになりそうだ――。