■フジ社員たちはB氏の降格をどう思っているのか――

 処分が発表された6月5日に局内で取材に応じた清水賢治社長(64)には、記者から“(処遇について)甘いのではないか”といった厳しい追及もあった。

 清水社長は自分自身、この処分内容について当初は疑問を呈したことを明かしたうえで、(週刊誌)報道によるバイアスが自分の頭の中にあったことや、“複数の弁護士事務所に意見を頂くなかで、この程度の処分が相当であるという意見を頂いた”“処分される側にも人権がある”など、妥当性を主張。

 なお賞罰委員会はメンバーの多様性等を考慮した構成だとされ、合計5日間にわたり6回に分けて、合計12時間以上の審議を重ねたとのこと。また懲戒処分等の内容を判断するにあたっては、

《外部の弁護士から、過去の裁判例や他社における同種事案の一般的な水準に照らして妥当と考えられる処分の程度等についての助言を受け、さらに、判断の客観性を高めるため、他の弁護士によるセカンドオピニオンも取得しています》

 と、慎重に慎重を重ねての結果だと言及している。

 一方で、実際に現場で働くフジテレビの社員たちは、B氏のこの処分をどう見ているのか──。フジテレビを長く担当する広告代理店関係者が、フジ社員たちの“リアルな意見”を明かしてくれた。

「もちろん受け取り方はさまざまですが……意外にも、今回のB氏の処分への怒りの声が少ない印象です。懲戒処分に至るまでにしっかりと調査を行なったことがうかがえる内容とその判断には納得した人が多い印象です。そこには、“仕方ないよね”というような半ば諦めのような思いもあるようですが……。

 ですが、一部には“絶対にやめさせるべきだった”という声もあることは事実ですね。その理由はやはり、B氏が“問題の発端”だからです。そして、“残してもいい影響はない”という声もありましたね。フジ局内には、多くの“仕方ない”という意見と、一部の強い“やめさせるべきだった”という意見が存在している感じですね」

 フジの社内ガバナンスが問われた今回の騒動。この結果が変革の第一歩となり得るのか。