■もはや道枝駿佑しか頼れない

 6月15日はいよいよ最終回だが、どんな展開になるだろうか。すでに、航空自衛隊機墜落事故の隠蔽と、進藤の父の自殺は、国定会長と羽生元内閣官房長官(北大路欣也/82)の差し金というのは明らかなので、最終回の大きなトピックになるとは思えない。

 あとは、進藤の元妻・横尾恭子(相築あきこ/57)を4年前に刺した通り魔と、違法な臓器移植の組織「ひまわりネット」の真相が判明していないが、刺した動機があると思われた崎久保(永野芽郁/25)の父・川島(山中崇/47)は逮捕されているし、臓器移植の黒幕の深沢(新納慎也/50)も死亡(服毒自殺)しているので、いまさらなにを明かされても盛り上がりそうにない。

 また、timelesz寺西拓人(30)のゲスト出演が話題になっているが、それも期待できなさそうだ。仮に犯人だったりなにかしらの真相を明かす人物だったとしても、これまでのストーリーに絡んできていないので、あまりにも唐突すぎてクライマックスのカタルシスは得られないだろう。

 そこで考えられるのが、AD・本橋(道枝駿佑/22)の活躍だ。日曜劇場の性格上、若手の成長は必ず描くはず。永野演じる崎久保は第5話と第6話の臓器移植のトピックですでにメインになっており、残っている主要人物の若手は本橋だけだ。演じる道枝には熱心なファンが多く、本橋が進藤に変わって巨悪に切り込むとなれば、話題になること間違いないだろう。パッとしない話題ばかりの『キャスター』だったが、最後にこれで盛り上がりを狙うかもしれない。

 X上でも、《なんとなくだけど本橋くん裏できっと何か真相をつかんでそうじゃない? 進藤さんのもとで色々学んでた本橋くんはきっと最終話でも活躍してくれるはず》などと、本橋回を期待する声もある。もはや、なんでもありな感じになってきた『キャスター』。十分にありそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。