今田美桜(28)主演、北村匠海(27)が相手役を務めるNHK連続テレビ小説あんぱん』の第54話が6月12日、放送された。同回は役名のある登場人物が北村と中沢元紀(25)演じる兄弟だけという異例の回となり、兄弟の熱いやり取りに多くの視聴者が涙することになった――。

【以下、『あんぱん』ネタバレを含みます】

『あんぱん』は、国民的キャラクター『アンパンマン』を生んだ漫画家・やなせたかしさんと妻の小松暢(こまつ・のぶ)さん夫妻をモチーフにした作品。今田が暢さんをモデルにしたヒロイン・朝田のぶを、北村がやなせさんをモデルにした柳井嵩を演じる。中沢演じる嵩の弟・千尋のモデルは、やなせさんの弟・柳瀬千尋さん。

 物語は6月11日放送回で1944年(昭和19年)7月に突入した。世は戦争の真っ只中。嵩が陸軍伍長となった一方で、千尋は海軍予備学生に志願して、海軍少尉となっていた。同回ラストで兄弟は3年ぶりの再会を果たし、12日放送回で2人きりで話をすることになった。

「千尋は法律家を目指して京都帝国大学に進学していましたが、学友らの同調圧力に逆らえず、海軍予備学生へと志願。駆逐艦に乗り、敵の潜水艦に爆雷を投下する任務に就くと嵩に説明しました」(テレビ誌編集者)

 嵩は、弟・千尋が法科へ進学したのは「弱い者の声を聞いて救うため」のはずで、「聞きたかったのは、敵のスクリューの音じゃないだろ!」と憤る。亡き伯父・寛(竹野内豊/54)の言葉「何のために生まれて、何をして生きるのか」を引用して思いをぶつけるも、千尋は5日後、佐世保から南方へ向かうことがすでに決定していた。

 同回で千尋は、これまでずっと兄・嵩に隠していた、のぶ(今田)への恋心も打ち明けた。千尋は子どもの頃からのぶが好きだったが、結婚相手が兄なら……と思っていた。

 しかし、嵩がいつまでも躊躇していた結果、プレゼントするつもりだったハンドバッグ1つ渡せないまま、のぶはお見合いを経て一等機関士・次郎(中島歩/36)と結婚してしまった。そのため今回、「何をグズグズしよったがな!」「のぶさんの言う通り、兄貴はたっすいがー(※土佐弁で“弱々しい”)のアホじゃ!」と言い放つ。