Travis Japan松田元太(26)主演の連続ドラマ『人事の人見』(フジテレビ系/火曜よる9時)が、6月17日に最終回(第11話)を迎える。ドラマの内容は出来が良かったが、主役の松田の存在感の薄さが際立ってしまった。

 同ドラマは、“人事部”に焦点を当てたお仕事ドラマ。古い熱血体質の残る大企業を舞台に、おバカでピュアすぎる主人公・人見廉(松田)が、社員のさまざまな問題に立ち向かっていく。松田はGP帯連ドラ主演に初抜擢。後藤博幸プロデューサーが当初から、脚本は松田の当て書きだと明言するほど、松田の“俳優路線売り出し”ドラマだったが――。

 10日放送の第10話は、日の出鉛筆社長・小笠原(小野武彦/71)が、地元商工会の講演で「我々の時代はサービス残業も休日返上も当たり前だった! 今の社員たちは自己犠牲の精神がわかってない!」と発言。このときの動画がSNS上で大炎上し、社内にも動揺が広がったため、常務・里井(小日向文世/82)は小笠原に社員への説明を進言する。

 ところが、小笠原は用意された会場に姿を見せない。落胆した里井が小笠原に「考えを改めてください。そうでなければ社長を退くべきです」と告げると、小笠原は激怒し、里井にクビを言い渡す。人事部一同は、里井常務の解任を阻止するために動き出し、人見は秘密を探るべく、小笠原宅で行われるパーティーに参加することに……という展開。

 ラストは、人見が日の出鉛筆の社長に就任するという驚きの展開。人見のおバカキャラの小ネタは挟むものの、放送前半に見られたドタバタ展開とは違い、今回はシリアスなトーンだった。松田も社長に情が湧いてしまい、ミッションだった私物の盗み出しを躊躇するなど、抑えた芝居が多かったが、感情の動きがよく伝わらず、存在感は薄かった。