■初期は輝いていた松田元太だが
放送が後半に入ってからは、第7話は人事部の真野(前田敦子/33)、第8話は平田部長(鈴木保奈美/58)と、サブキャラがメインの回が続いていた。それらの回で、松田が脇に追いやられていた感は否めない。特に、働き方や会社のあり方を問う、シリアスな内容になると、彼の元気なキャラだけで物語に絡むのは難しかったようだ。
X上のコメントは、《人見くん、社長?!びっくり(スーツ姿かっこいい〜)何か策があっての就任なんだろな》などと、やたらに褒めるものばかり。どうやら、松田のファンしか見ていないようで、配信サービス・TVerでは、放送中にもかかわらずお気に入り登録数が減り始めるという、なかなかない現象が起きている。ドラマとしては“厳しい結果”と言わざるを得ない。
ただ、初期のドタバタ展開では、松田も生き生きしていて、物語にもグルーブ感があった。いっそ、人見は人情の深い人という描写はあまりせず、一貫した型破りなおバカキャラで、最後までドタバタで押し通したほうが、松田の良さが生きたかもしれない。
フジテレビ的には、同局のバラエティ番組『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』で人気になった松田を、さらに俳優路線でも推したいのかもしれない。しかし、松田の“愛され天然キャラ”を活かすのならば、内容をもう少し考え直したほうが良かった感じだ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。