2023年12月、73歳で亡くなった歌手・八代亜紀さんの“私的写真”が封入されたCD販売で批判が殺到しているニューセンチュリーレコード株式会社。同社が6月9日付で、公式サイトにてCDの「再販」を発表した。

 物議を醸しているのは、4月21日に発売したアルバム『八代亜紀 お宝シリーズ 第一弾 忘れないでね』の封入特典。同社によれば《八代亜紀が24~25歳の時に同棲していたT社のNディレクターによってポラロイドカメラで撮影された》極めて私的な写真2枚だ。

「故人のプライベートな写真を商売に使うという手法には、販売前から“倫理観がない”などとして大炎上。4月9日にはオンライン署名サイトChange.orgで『八代亜紀さんの尊厳を保護し、リベンジポルノを阻止する』と題した署名活動がスタートし、約8万5千以上もの賛同を集めたほか、大手CDショップでは取り扱いが続々と中止されました。

 一方で同社はそうした世間の動きも“どこ吹く風”。写真の所有権は自社にあるという主張を譲らず、予定通りアルバムを発売しました」(ウェブメディア編集者)

 話題が話題を呼んだこともあり、鹿児島県にある同社には電話が殺到するとともに注文受け付けを一時停止する事態に発展した。今回の再販にあたって同社は《4月18日頃よりマスゴミ・その他が騒ぎ出し 今迄商品を作っていた全ての所が商品の製造をしてくれなくなったのが原因です》と説明。《他もいろいろ探しましたが何処も同じ様に【風評被害を受けるから】を盾に当社の注文を断られた次第です》と、製造が難航していたという裏事情を明かしていた。

 外注が製造してくれないという事態を受け、同社では5月連休時から《小さいながらもプレス工場を作った次第》と、自社で生産する体制を整備したことを報告。《誰が邪魔しようとも自社生産ですので今後は余程の注文数がオーバーしない限り供給できます。これで第2弾・第3弾作品も安定供給出来ます》と呼びかけた。

 なんとしても八代さんの私的写真付きCDを流通させたいことがうかがえるが、実は同社は、発売前に「道義的にはしたくなかった」と明かしていたのだ。