■同日放送の『あんぱん』でも“海兵の旅立ち”が描かれたばかり
【以下、『あんぱん』ネタバレを含みます】
今田美桜(28)主演の『あんぱん』は、国民的キャラクター『アンパンマン』を生んだ漫画家・やなせたかしさんと妻の小松暢(こまつ・のぶ)さん夫妻をモチーフにした作品。今田が暢さんをモデルにしたヒロイン・朝田のぶを、北村匠海(27)がやなせさんをモデルにした柳井嵩を演じる。そして、やなせさんの弟・柳瀬千尋さんがモデルの千尋を中沢元紀(25)が演じている。
物語は太平洋戦争の真っ只中の1944年(昭和19年)7月。6月12日放送回では、千尋が海軍少尉として駆逐艦に乗り、佐世保から南方へ向かう5日前、最後に嵩と兄弟水入らずで話をする――というドラマが描かれた。
千尋は兄を前に「この戦争さえなかったら、愛する国のために死ぬより、わしは愛する人のために生きたい!」と熱い思いをぶつけていたが、史実から、視聴者からも、おそらく戦死してしまうのでは……と考えられている。
そして、同日に放送された『めおと日和』でも不穏な予告が流れたことで、
《今週も終始ずっとニヤニヤしながら見たんだけど、予告で朝ドラあんぱんを思い出して、この時代の海軍は…と思ったらいっきに悲しみが襲ってきた》
《えーーん無理無理無理。めおと日和見てから昨日今日のあんぱん見たら、尚のこと予告の不穏さで心が死んでしまう。もう誰も死んでくれるなって…生きて…》
《あんぱんもめおと日和も雲行き怪しくて心臓握り潰されておわる》
《弟は多分もう帰って来られないからお別れシーン号泣からの、めおと日和来週あんなでほんと心穏やかじゃない》
《あんぱんもめおと日和も同じ時代で不穏な流れだ》
といった、悲痛な声が多く寄せられることになったのだ。
「『めおと日和』は戦前が舞台ですが、瀧昌(本田)が“命の保証はない軍人”であることは、何度も描写されてきました。軍務による遠征でなつ美(芳根)を1人で待たせることもしょっちゅうだった。だからこそ、何気ない夫婦の日常がかけがえのないものとして描かれていたし、それによる初々しいやり取りが“うぶキュン”として視聴者から愛されてきました。
戦争によってそれが奪われてしまいそうなのが、視聴者は気が気でないということですね」(前出の女性誌編集者)
『めおと日和』と『あんぱん』。作風もジャンルも内容も大きく異なる2作品だが、両ドラマとも視聴者が“二度と戦争を繰り返してはいけない”という想いを抱くことは共通している――。