超大物2人の対談が、またも実現した。
人気ロックバンド、ユニコーンの川西幸一氏(63)と、2022年に『塞王の楯』(集英社)で第166回直木賞を受賞した作家の今村翔吾氏(38)。
レジェンド級のミュージシャンと人気作家のトークバトルは、時代小説ファンとして知られる川西氏の熱烈なラブコールで、2022年に初めて実現。今年が2回目となる。
WBC日本代表から意外すぎる創作の秘密まで展開した、貴重な対談を独占リポート。

 TSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISEで2023年3月11日(土)に開催された「Artistと本vol.2」。会場では両氏のファンが見守っただけでなく、動画配信でも多くのファンが仲のいいふたりの爆笑対談を楽しんだ。

■時代小説ファンの2人がオススメする本とは?

 昨年も開催された同イベントの際に親交を温めたというふたりは、今村氏が取り組んだ驚愕の全国訪問企画「今村祥吾のまつり旅・47都道府県まわりきるまで帰りません」でも、川西氏が在住している広島県で食事をするなど交流を深めたという。

「翔吾君が来るという書店にサプライズで行ったらお店の方に見つかってサプライズが台無しになった」と川西氏が語れば「そりゃ川西さんが来ればバレますって」と今村氏がツッコみ、さっそくイベントがスタートした。

「Artistと本」のタイトル通り、時代小説の大ファンとしても知られる両名から、イベントにあたってオススメの時代小説が発表された。今村氏が司馬遼太郎、藤沢周平などの定番どころを挙げたのに対して、川西氏がオススメ本としてまず挙げたのは、今村氏の『イクサガミ 天』(講談社)。そして坂岡真氏の『鬼役伝』(光文社)シリーズだ。

川西幸一

「『鬼役』というのは将軍の毒見役のこと。この鬼役の所作やしぐさがすごくいい。江戸時代はのんびりした時代だと思われるけれど、この鬼役は毒を食らうこともあるから、生と死の狭間の仕事をしている。これが結構しびれるんです」と川西氏。また、長年のファンである坂岡氏とは昨年対談も実現した。

「歳は僕のひとつ下かな? 面白い先生でしたね」と語る川西氏に対し、今村氏は「60代の坂岡先生は時代小説家としてはまだ若いほう。70代の作家がざらにいますから」。この日司会を務めたお笑い芸人のあずき坊主が「そうすると今村先生は超若手ですね!」と驚きの声を上げると「それであれだけのことを書けるのはスゴイといつも思う」と川西氏が頷いた。