今田美桜(28)が主演、北村匠海(27)が準主演を務めるNHK連続テレビ小説『あんぱん』。同作には主演クラスの名俳優が多く出演しているが、6月19日放送回では妻夫木聡(44)と嵐・二宮和也(42)が圧巻の演技を繰り広げた――。
『あんぱん』は、国民的キャラクター『アンパンマン』を生んだ漫画家・やなせたかしさんと妻の小松暢(こまつ・のぶ)さん夫妻をモチーフにした作品。今田が暢さんをモデルにしたヒロイン・朝田のぶを、北村がやなせさんをモデルにした柳井嵩を演じる。
今回注目されている妻夫木は嵩の上官・八木信之介上等兵を、二宮は嵩の亡き父・清を演じている。
【以下、『あんぱん』ネタバレを含みます】
物語は6月19日放送回の時点で、太平洋戦争末期の1945年(昭和20年)。嵩ら小倉連隊は中国・福建省の駐屯地で活動しているが、補給路が断たれて食料が底をつき、飢えで錯乱状態に陥る仲間も出るなど、絶望的な状況にある。
「同回では、戦争が原因での“復讐”と“飢えの苦しみ”という2つの悲劇が描かれました。前者のシーンでは妻夫木さん、後者のシーンでは二宮さんが、嵩役の北村さんを相手に圧巻の芝居を見せたんです」(テレビ誌編集者)
“復讐”というのは、嵩の幼馴染でもある軍人・田川岩男(濱尾ノリタカ/25)が、現地の中国人の少年・リン(渋谷そらじ/7)に銃で撃たれ、死んでしまったこと。なぜ岩男がリンに殺されたのかを八木(妻夫木)はリンから直接話を聞いており、19日放送回でそれを嵩に伝えた。
リンの両親は1年前、ゲリラ討伐の任務を受けた岩男に射殺されており、岩男はその復讐でリンに撃たれたのだ。しかし、リンは復讐までの間、岩男に我が子同然に可愛がられていたこともあり、復讐をしても心が晴れることはなかった。
八木はこの背景を嵩に伝えると、近くに張られていた「占領地良民を己が同胞と心得」と書かれた紙を「こんなもの!」と破り捨てる。
そして嵩を壁に押しつけ、「戦場で生き残るには、卑怯者になることだと言ったのを覚えてるか。卑怯者は、忘れることができる。だが、卑怯者でない奴は、決して忘れられない! おまえはどっちだ。どっちなんだ! どっちなんだ……」と、普段の冷静さを失い、悲痛な声でやり場のない怒りを爆発させる――というシーンが描かれた。
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— 朝ドラ「あんぱん」公式 (@asadora_nhk) June 18, 2025
「お前は、リンが憎いか。幼なじみのかたきをうちたいか」
やり場のない怒りを爆発させる八木。
「卑きょう者は、忘れることができる……だが、卑きょう者でないやつは、決して忘れられない……お前はどっちだ?どっちなんだ!」#北村匠海 #妻夫木聡#朝ドラあんぱん pic.twitter.com/cP3nA9kwI5
※画像は『あんぱん』公式Xより
そして、“飢えの苦しみ”というのは、嵩が食糧難による重度の栄養失調で倒れてしまったこと。意識を失った嵩の前に現われたのが、幼少期に亡くなった父・清(二宮)だったのだ。