■母親役がハマった北川景子
序盤は、梨々子の行動が意味不明だったり、いきなり美海が中学生に成長していたり、隣人・初芽(小川李奈/25)の唐突で都合の良い登場など、ツッコみどころが多めだった。トンチキドラマの雰囲気もあったが、プライベートでも2児の母である北川が、紘海の役に憑依したような迫真の演技で視聴者を引き付けていた。
後半になると、不可解だった展開がつながり始め、X上では、《美海が紘海を選んでも、それからまた大人に振り回され、引き離されるのか? 玖村は人生終了だけ?》などと、考察する声も増え始めた。配信サービス・TVerのお気に入り登録数も75.5万(19日午後3時現在)と、安定した数字を維持してドラマ部門5位。サスペンスものが苦戦している今期ドラマの中では、成功したといえるだろう。
20年9月に長女、24年1月に長男と、2度の出産で近年の出演作は多くないものの、北川の主演ドラマはどれも好調。シリーズ化した『家売るオンナ』(日本テレビ系)のイメージが強いが、『リコカツ』(TBS系)や『女神の教室〜リーガル青春白書〜』(フジテレビ系)でも健闘。爆発的なヒットまではいかないが、手堅い数字を持っている俳優なのだ。
コメディからシリアスものまで、演技の幅が広い北川。本作の主人公・紘海を演じたことで、今後は母親役のオファーが増えてくるだろう。X上でドラマの告知をまめにするなど、夫・DAIGO(47)のフォローも強力で、今後の活躍に期待できそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)