今田美桜(28)主演のNHK連続テレビ小説あんぱん』の第13週「サラバ 涙」が、6月23日から放送される。20日まで放送された第12週「逆転しない正義」は、悲劇にもほどがある戦争描写が話題になっていた。

 同ドラマは、漫画家・やなせたかしさんと妻・小松暢(こまつのぶ)さんをモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。テーマのひとつである「生きる喜び」を描くためには、壮絶な戦争シーンは必然だったようだ。

 第12週は、駐屯地への補給路が絶たれ、食料が底をついた。空腹で正気をなくした康太(櫻井健人/25)は民家に駆け込み、老婆に銃を向けて食べものを奪おうとする。すると老婆は、最後に残った卵を茹でてくれ、康太たちは殻のままかぶりつく。その姿に、老婆は「空腹は人を変えてしまう」とつぶやいた。

 一方、岩男(濱尾ノリタカ/25)は、現地の少年・リンに銃撃されて死亡する。八木(妻夫木聡/44)は、リンは親の敵を討ったのだと言い、やり場のない怒りを爆発させる。やがて食料難は限界に達し、嵩がとうとう地面に倒れこむと、意識が遠のく中、亡き父・清(二宮和也/42)があらわれ……という展開。

 脚本の中園ミホ氏は、番組公式サイトのインタビューで、「戦争もしっかりと描きます」と語っていたが、ここまで壮絶に描くとは予想していなかった。これまでの朝ドラの戦争は、大切な人を失う悲劇を描くことがほとんど。本作では、のぶを戦争の加担者として描いたが、戦争は嫌いだと言っていた嵩ですら、現地での略奪シーンで加担者として描かれており、終わりのない悪夢のようだった。