米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(30)の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われていた水原一平受刑者(40)が16日(日本時間17日)米ペンシルベニア州の連邦刑務所に収監された。
当人は自身の住まいがあるカリフォルニア州南部での収監を希望したというが、別の刑務所になった背景にはどういう事情があったのか。また、収監された刑務所は“警備レベルが低い”と報道されているが、その獄中生活は一体どのようなものなのか――。
水原受刑者は大谷の通訳を務めていた2021年11月頃から2024年3月頃にかけて、違法スポーツ賭博で負けた額を“補填”するために大谷の口座から約1697万ドル(約25億円)を不正送金。今年2月、カリフォルニア州の連邦地裁で禁錮4年9か月とその後3年間の保護観察、さらに大谷選手への賠償金約1700万ドル(約26億円)を言い渡されていた。
水原受刑者が収監されたのは、ペンシルベニア州アレンウッドにある「アレンウッド・ロー連邦矯正施設(Allenwood Low Security Federal Correctional Institution)」。日本人にとっては聞き馴染みのない「ローセキュリティ」、つまり低セキュリティの刑務所の実態について、元法務官僚で海外での活動も経験した龍谷大学教授の浜井浩一氏に話を聞いた。
まず、水原受刑者の希望だったカリフォルニア州での収監にならなかった背景について。カリフォルニア州内には12カ所の刑務所があるが、
「収監される刑務所は連邦刑務所内での空き状況や輸送費用、本人の特性、セキュリティ上の事情などを総合的に勘案して決定されます。水原受刑者の場合、土地勘のあるカリフォルニア州での収監をするのは面会等を考えるとごく自然なことではありますが、カリフォルニア州は、ロサンゼルス・ドジャースの本拠地でもある。大谷が所属するドジャースファンからの影響を考え、同じ州内は避けたほうがいいという判断はあったかもしれません」(浜井教授=以下同)