■香水は15~25cm離してスプレー
では、どこにつけるのが正解なのか?
「朝だったら洋服を着る前に脇腹、もしくは背中を目指す感じで肩のあたり。出先でつけ直す場合、二の腕の内側、あるいはスラックスをまくってふくらはぎ周辺。この付近にスプレーしていただくと、こなれた感じで柔らかく漂わせることができます。足元ならドライブや食事のときも隣の人に香水臭いとは思われないでしょう」
MAHO氏によると、慣れていない人は概してスプレーする場所が身体から近すぎる傾向があるという。香水は押すとスプレー穴から霧状に広がっていくもの。したがって、15~25cm程度離すのが理想とのことだ。
さて、問題は具体的に何をつければいいのかということだ。今回は「50歳以上の中高年にもおすすめできる」「初心者にも優しい」という角度から、香水トップ3をセレクトしてもらった。
【1.ロクシタン/ヴァーベナ オードトワレ】
「日本人好みする柑橘系。男女問わず人気ですし、今から夏を迎えるにあたって爽やかさを感じさせる点もおすすめできる理由ですね。ヴァーベナとはレモンにそっくりな香りのハーブで、それをイメージした香水なんです。でも単に爽やかなだけでなく、ほろ苦さもある。実はここがポイントで、中高年の男性特有の加齢臭にうまく寄り添って目立たなくしてくれるんです」
【2.イソップ/ヒュイル オードパルファム】
「少し値は張るのですが、日本各地の店舗で扱われている豪州の人気ブランド。ウッディな香りが楽しめます。たとえるなら、ヒノキとか、苔寺を訪れたときのような神秘的な雰囲気。落ち着いた大人の知性や静けさを演出してくれるはずです」
【3.ジョーマローン/サイプレス & グレープバイン オール オーバー ボディ スプレー】
「ジョーマローンは英国の香水ブランド。グレープバインというのはブドウのツタを指すんですけど、ワインっぽいメロウな甘さも感じさせる仕上がりですよ。50~60代になってもイケオジとして大人の色気を打ち出したいというときにおすすめです」

では、逆に中高年は避けたほうがいい“NG香水”はあるのだろうか?
「若者っぽい香りを使うと、痛々しい印象を与えてしまうかもしれませんね。あとはチープすぎるのも避けたほうが無難。もちろん手頃な価格で購入するのは大いに結構なのですが、あまりにも香りが安っぽすぎるとステータス感が薄れてしまいますから」
若者とミドルでは、ふさわしい香りも違ってくるということか。
「爽やかなのはOKなのですが、瑞々しすぎると中高年の方に似合わないんですよね。具体的には、“マリン”とか“サボン”といった言葉がついている商品は若向けの可能性有りと考えたほうがいいかもしれません」
さりげなく大人の余裕を感じさせつつ、香水ライフを愉しみたいものだ。
MAHO
フレグランスアドバイザー、評香師。フレグランス関連企業を経て独立。フレグランスカウンセリングの先駆者。日本フレグランス協会常任講師。日本調香技術普及協会理事。
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