今田美桜(28)主演、北村匠海(27)が相手役を務めるNHK連続テレビ小説『あんぱん』。辛くも目が離せなかった「戦争編」が終了したことで、作品としては“勝負の時”を迎えているのかもしれない。
【以下、『あんぱん』ネタバレを含みます】
『あんぱん』は、国民的キャラクター『アンパンマン』を生んだ漫画家・やなせたかしさんと妻の小松暢(こまつ・のぶ)さん夫妻をモチーフにした作品。今田が暢さんをモデルにしたヒロイン・朝田のぶを、北村がやなせさんをモデルにした柳井嵩を演じる。
同作では第12週(16日~20日)まで太平洋戦争が描かれ、第13週(23日~27日)からは戦後に突入。のぶは亡き夫・次郎(中島歩/36)の影響で速記の勉強を開始。偶然、新聞社「高知新報」の編集局主任・東海林明(津田健次郎/54)と出会い、彼の推薦もあり同社で働くこととなった。
「ここまでは惨く辛い戦争編で、多くの人との別れなどハードな展開が続いた『あんぱん』でしたが、第13週、特に6月25日放送回は、かなり明るい雰囲気で物語が進みました。嵩は親友・健太郎(高橋文哉/24)と再会できたし、のぶも速記に熱中することで本来の明るさを取り戻した。戦争編では出番の少なかったのぶですが、戦後は彼女をメインに物語が展開されることになりそうです」(テレビ誌編集者)
『あんぱん』では、太平洋戦争に突入した第10週(6月2日~6日)から、嵩編とも言えるようなストーリーが展開されるように。嵩が出征した6日放送回からは、のぶが一切登場しない回も珍しくなかった。
《主人公のぶだよね?》などと疑問を呈する視聴者も少なくなかったが、戦争の惨さ、辛さを描いた完成度の高いシナリオを視聴者は絶賛。第11週と第12週はどちらも週平均世帯視聴率16.0%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)で、番組最高記録を更新した。
また、6月19日放送回(第12週)では嵐・二宮和也(42)演じる嵩の亡き父・清が“瀕死の嵩が見た夢”という形で再登場したこと、妻夫木聡(44)演じる上官・八木信之介上等兵が嵩(北村)を相手に圧巻の演技を繰り広げたことから、豪華キャストによる「神回」として注目を集めた。
「今田さんの演技が悪いわけでは決してありませんが、『あんぱん』には多くの主演級キャストが出演し、もれなくハマリ役ばかり。そのため、戦争編前から“主人公がかすむ問題”は指摘されていました。たとえば最序盤で急死したのぶの父・結太郎は加瀬亮さん(50)が演じましたが、わずかな出番ながらも存在感がありましたよね」(前同)