ファストフードのハンバーガー店で、かならず付け合わせにあるフライドポテト。
チェーンストア研究家の谷頭和希氏が、こう解説する。
「ハンバーガーやサンドイッチのような肉や野菜が主となるメニューは、原価が高く単品では利益が出にくい傾向があります。そこで、利益率を上げるために注目されたのは『セット商品』。一度の調理で多量に準備できて、原価も安いポテトやドリンクを付けた価格を設定することで、利益を高められるのです」
店ごとに提供されるフライドポテトは、味も形もずいぶん違う。そこで、本サイト編集部のグルメ記者たちがチェーン店のフライドポテトを徹底比較。大手4社の商品を食べ比べてみた。
まずは、ハンバーガー店の老舗中の老舗『マクドナルド』から。
同社の『マックフライポテト』の価格はSサイズで200円ポッキリ(税込=以下同・価格は編集部調べ、店舗により異なります)。紙袋にあふれんばかりに盛られたポテトはコスパ最強だ。
「日本に住む人にとって、マックの細いスティック状のフライドポテトこそがフライドポテト。端っこやカケラはカリッカリな一方で、中のほうはホクホクするなど、一度手を伸ばすと、まさに“やめられない止まらない”。食感と塩加減はバッチリです」(50代男性・N記者)
そんな王者・マクドナルドのポテトにも欠点があるという。
「一度冷めると加熱しても食感が戻らず、味わいが落ちてしまうのが玉に瑕です」(20代女性・D記者)
ちなみに、この“ハンバーガーとポテト”との組み合わせは、実はマクドナルド発祥という説が。
「マクドナルドを世に広めたのはアメリカの実業家、レイ・クロック。彼の自伝には、創始者であるマクドナルド兄弟のサービスの素晴らしさとともに、“ポテトが絶品で感動した”という記述が残っています。後続のハンバーガー店も、これに倣ってポテトを置き始めたのかも」(前出の谷頭氏)

アメリカ発のバーガー店がマクドナルドなら、日本発といえば『モスバーガー』。谷頭氏も「モスバーガーのマーケティング方法はマクドナルドに対抗したもの」と語り、こう続ける。
「マクドナルドが『ファストフード』なら、モスバーガーは『スローフード』。創業当初から食材や調理にこだわり、味の良さを追及した戦略でした。相対して値段は高めでしたが、現状の物価高の折にはむしろ“お得”と感じる風潮が強まっています」
なお、ポテトは『フレンチフライポテト』(Sサイズ270円)。
他社と差別化を図ったのか、さらにオニオンリングが2つ追加された『オニポテ』(330円)も提供されている。
「太めのスティック状に成型されたポテトは、塩分も控えめでホクホク食感。無料で頼めるケチャップを付ければ、ジャガイモの素材感をさらに感じられます」(40代男性・S記者)
ちなみに、オプションのオニオンリングは、
「タマネギの甘みがポテトの塩味とマッチしています。サクっと感を楽しみたいなら、揚げたてを真っ先に食べるのがオススメ」(前同)
