■平日でも7割以上の人が「ひとり時間」を確保

 では、なぜここまでソロ活が一般化したのでしょうか。大きな転機となったのは、やはりコロナ禍です。テレワークや外出制限によって、否応なく自分ひとりの時間と向き合うようになった人が、「ひとりでいることの心地よさ」に気づいたという側面があります。

 さらに、現代社会では常に誰かとつながっている状態が続き、情報過多によるストレスも蓄積しています。その反動として、あえて“誰ともつながらない”時間を求める人が増えているのです。

 マーケティング・リサーチ会社「クロス・マーケティング」が行った「おひとりさま消費に関する調査(2024年)」によれば、全国の20〜69歳の男女2500人のうち、7割以上が平日に「ひとりの時間」を確保していると回答。注目すべきなのは、こうした時間を「自分のペースでいられる」「自由を味わえる」「ストレス解消になる」と前向きにとらえている点です。もはや“ひとり”は孤独ではなく、自己回復と自己表現の場になっていると言えるでしょう。

 ネット上にも、この意識の変化を裏づける声が多く寄せられています。

《やっと自分の生き方に合った時代が来たような気がする。昔はひとりだと寂しいって言われてたけど、今は違う》
《気疲れがないのが最大のメリット。半年に一回友達と会えば充分だし、ひとりの時間が一番リラックスできる》
《人に合わせてたら、やりたいことも食べたいものも我慢しなきゃいけない。今は自分のタイミングで行きたい場所に行けるのが嬉しい》

 かつては一人ぼっちで行動することは“ボッチ”と揶揄されたものですが、いまや“スタイリッシュな選択肢”として市民権を得ていることを物語っています。