■「シャワー+42度の足湯」という裏技も

 どうしても湯船につかる気が起きない日は、こんな裏ワザがあるという。

「シャワーと足湯を組み合わせましょう。足湯は冷めやすいので、熱めの42度にしてください。浴槽にためた足湯で温められた血液が全身を巡ることで、入浴に近い効果が得られます」(前出の温泉医療専門医の早坂氏=以下同)

 また、夏のお悩みの汗臭さを解消したい人には〝朝シャワー〟がいい。

「『東京ガス』の研究で、朝に41度のシャワーを1分間浴びることで、夕方まで体臭を抑えられることが分かっています。汗を放置すると、そこに含まれる成分が分解され、汗臭さや加齢臭の原因になります。朝シャワーで寝汗を洗い流すのは理にかなっています」

 暑い季節の楽しみといえば、やっぱりビール。晩酌は風呂の前と後、どちらがいいのだろう。

「晩酌は、風呂の後です。酔った状態での入浴は危険です。さらに、夏は浴室内で熱中症になるリスクもあるので、入浴の前後に、必ず、コップ1杯半の水分をとってください。アルコールは水分補給にならないので、ご注意を」

 また、安眠のため、何時に入浴するか、時間の管理が重要になる。

「人は、体温が下がるタイミングで眠気が訪れます。入浴でいったん上がった体温は、約90分後に下がり始めるので、就寝の1〜2時間前に入ると、深い眠りにつながります」

 暑さが厳しい夏こそ、正しい入浴習慣で健康に!

早坂信哉
東京都市大学人間科学部教授。博士(医学)温泉療法専門医。1968年、宮城県出身。医師として25年以上、入浴や温泉の医学研究、診療を続けている。