日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。韓国で進む新ビジネスの実態と問題点を斬る!
韓国では今、“身長”が新たなスペック競争の軸になりつつあります。かつて日本で「三高(高学歴・高収入・高身長)」がもてはやされた時代がありましたが、韓国ではそれがリアルタイムで再燃。美容整形大国と呼ばれる韓国は、もともと見た目重視の社会として知られていますが、ここに来て“高身長”が加わり、新たなビジネスが拡大しています。
身長を伸ばすクリニックや運動施設はソウルを中心に増加中です。注目されているのは、子どもに成長ホルモンを注射する医療行為。成長を支える運動マシーンや、吊り下げ式ベルトを使った体験施設も登場しており、発育への投資意欲が年々高まっています。
先日、この件を特集した「Nスタ」(TBS系)では、小学生の女の子が自宅でホルモン注射を打ち、月6万〜7万円の費用がかかっていると紹介されました。それでも父親は「将来への投資」と語っています。
実際、韓国の17歳男子の平均身長は50年で7センチ以上伸びており、日本の同世代が横ばいであることと比べても、成長環境の違いは顕著です。就職活動でも高身長が好印象を与えるというのも要因の一つ。身長を伸ばすことは“就活対策”と同義というわけです。当然、市場も過熱。韓国における成長ホルモン製剤の市場規模は2023年で約4445億ウォン(約485億円)。年平均で30%以上の成長率を見せている状況です。