日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。美味しいお店探しの方法も、昔と今では大きく変化しているのだとか。
いま、Z世代を中心に飲食店探しの常識が大きく変わりつつあります。かつては『食べログ』や『ぐるなび』などのグルメサイトが主流でしたが、現在はInstagramやTikTokといったSNSで、名店を探すのが定番になっているんです。
これらのSNSは、情報収集の場であると同時に、日常に溶け込んだ“スクロール文化”の一部でもあります。能動的にお店を探すのではなく、何気なく流れてきた飲食店の投稿を、“保存”し、後日訪れるというライフスタイルが定着しつつあるんです。
SNSショート動画の運用やインフルエンサーキャスティングを行う株式会社『Utakata』が、Z世代(1996〜2012年生まれ)の男女157人に行ったアンケートで、「飲食店を調べる際に利用するメディア」として最も多く選ばれたのは「Instagram」(38.9%)。続いて「Googleマップ」(23.6%)、「食べログ」(22.3%)と続きました。「TikTok」は5.7%と少数派ですが、今後の影響力拡大が期待されています。
“地図機能でおしゃれな店を探しやすい” “写真や動画でイメージが湧きやすい” “ハッシュタグ検索が直感的”といった視覚的な分かりやすさがInstagramが好まれる理由です。また、個人経営の飲食店だと、情報発信の場をInstagramに限定しているケースも多いため、若者にとっては“とりあえずInstagramチェックする”という傾向になっていると思われます。